2005-04-01 [長年日記]
λ. 『独島/竹島 韓国の論理』 - 金学俊 著, Hosaka Yuji 訳
何というか、読んでて疲れたよ、パパン。
私が日本人だからかも知れないけど、「独島は韓国領」という結論ありきで、それに沿うよう史料を「〜に違いない」「〜の可能性がある」「〜と解釈できる」といった具合に当てはめているという印象を少し受けた。
λ. 中国外務省「軍事費、日本の方が多い」
日本の防衛費が多いのには人件費が高いという理由もあるし、中国の軍事費*1が少ないように見えるのには人民元が不当に安いという理由もあると思う。額の単純な比較にそれほど意味があるとは思えない。ちなみに、人員は圧倒的に中国の方が多いし、軍事費のGDP比や政府予算比でみても中国の方が高かったはず。それに加えて、中国はここ数年軍事費の伸び率が前年比二桁増を続けてて、現在軍拡まっしぐら…… わたしゃ具体的な戦力については全然知らんけど、客観的に見て日本より中国の方がずっと軍事に重きを置いてるのは間違いないと思うよ。
それにしても「中国はどの国も侵略したことはない」ってのは悪い冗談だとしか思えん。チベット、ウイグル、満州を武力で併合したのも、朝鮮戦争に参加したのも、パラセル諸島(西沙諸島,ホアンサ諸島)を武力で制圧し事実上領土化したのも「侵略」にはあたらないと? それから今現在「反国家分裂法」を制定し武力で台湾を脅しているのは?
(2005-11-04追記) CIA の The World Factbook の Military の項目を日本と中国で比較してみる。……普通に中国の方が多いんですけど。
Japan | China | |
---|---|---|
dollar figure | $45.841 billion | $67.49 billion |
percent of GDP | 1% | 4.3% |
*1 中国は軍事費の全体を公表しているわけではないという話もあるが……
λ. 『ルビま!』200504号(休刊号)
月刊『ルビま!』は、今月号(2005年4月号)をもって休刊いたします。これまで応援していただいた読者の皆様には深く感謝しております。 大変ありがとうございました。
思いっきし笑いますた。GJ!
2005-04-02 [長年日記]
λ. [地価公示]「都心での反転が地方にも及んだ」
「へぇ」という感想しかないが、土地の価値が正しく評価されるようになり、その上で下げ止まっているのなら、それはまあ望ましいことなんだろう。ただ、政策的後押し、特に「民間の資金とノウハウを活用する新しいタイプの公共事業の推進」というのは良く分からないな。
ところで、土地の有効利用を進めるための政策として、私がすぐに思いつくのは以下のような政策だが……
- 土地譲渡益税の減税
- 土地固定資産税の増税
- 一物四価とか一物五価とか言われる馬鹿げた制度の整理
- 借地借家法の改正
- 容積率規制の緩和
λ. 「東方花映塚」情報 キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
こりゃまた楽しみだ。
次回作で咲夜さんが消えない事だけを願ってたけど……スクリーンショットに咲夜さんがいるよー。よかったー。よかったよー。これだけでもうかなり満足(ぉぃ。
λ. 『ブギーポップ・デュアル 負け犬達のサーカス』 - 高野真之 (作画) 上遠野浩平 (原案)
微妙。続きを読めば印象変わるかも知れないけど、あまり続きを読む気になれない。ところで、左右非対称な表情の描写を楽しみにしてたのだけど、そういった描写はなかったな。
2005-04-03 [長年日記]
λ. 「日本、資格なし」 韓国国連大使、常任理入り反対表明
常任理事国入りへの反対は置いておいて、「日本は過去の戦争犯罪に心からの謝罪と反省を行っていない」という言葉に大きな違和感を感じた。そもそも国家には自然人のような人格は存在しない。ならば、謝罪や反省が「心からのものである」かどうかなんてハッキリ言って意味がないし、それを要求するのも馬鹿げた行為ではなかろうか。
極論すれば、謝罪も反省も外交上の単なるプロトコルに過ぎないと私は思う。
λ. 反復型の囚人のジレンマ
小熊さんの哀愁日記で、反復型の囚人のジレンマの話が出ていた。ロバート・トリバースは知らなかったけれど、アクセルロッドの話なら私も一応知ってます。あのあたりの話は面白いですよねぇ。私がゲーム理論というものを知ったのも、アクセルロッドの理論の紹介をUTANという雑誌で読んだのがきっかけで、そのときは結構衝撃を受けました。あれは、たしか中学生のころだったから……何年前だろ。あ、でも、そういったことを知ったからと言って、特に人間に対して絶望はしたりということはなかったです。
普通の大学生であれば囚人のジレンマくらいは知ってるだろう*1し、反復型の囚人のジレンマについても結構知られてると思ってたけれど、そうでもないのかなぁ……
[追記] ロバート・トリバースの『生物の社会進化』 も面白そうだし、今度読んでみよっと。
*1 ミクロ経済の初歩くらいは教養だろうし、ミクロ経済を学ぶ際にはゲーム理論も絶対一緒に学ぶだろうから
λ. 東京の熱が埼玉・茨城の暑さを引き起こす
へぇ。そうなのか。面白いなぁ。
λ. ブロック暗号の暗号化モード
メモ。K.I.D (2005-03-25) より。
λ. 潜水艦資料持ち出す=元防衛庁技官を聴取−中国側に流出の疑いも・警視庁
あんまし注目されてないけどこれは大問題だと思う。日本もスパイ防止法の制定等を真剣に検討すべきだろう。
2005-04-06 [長年日記]
λ. 今日は暖かかった。暑いくらい。学校行ったら、新歓まっさかりで賑やかだった。人が多いのは疲れるけど、学期初めの風物詩と思えばこれも楽しい。で、学生証の交付を受けて、CNS/ERNS利用申請書を提出して、ガイダンスと奨学金ガイダンスを受けて、健康診断を受けて……、久しぶりに色々したらちと疲れた。あと、帰りにツインライナーに初めて乗った。中も赤かった。結構かっこいいかも。
λ. Data Structures Considered Harmful - John G. Cleary, Mark Utting, and Roger Clayton
LtU より。データ構造有害論。
プログラマはデータ構造を決めたり、データ構造にアクセスするコードを書いたりすべきではない。そんなのはコンパイラの仕事だ。プログラマは抽象的な「関係」だけを扱い、コンパイラは各「関係」をどのようなデータ構造によって実現するのが効率的か解析しデータ構造を決定する。
Starlog という純粋論理型言語(?)を提案している。
- 気になったキーワード
-
- constructive negation
- bottom-up evaluation
- triggers
2005-04-07 [長年日記]
λ. 入学式
朝早くて大変だった。でも、僕が着いたときにはまだほとんど来ていなくて、前から2番目の列になってしまった。8:40までに入場ということだったんだが、時間になってもまだ半分も埋まっていない。こんなことならもっとゆっくり来れば良かったかも。
式辞で安西先生は「志」を強調していた。「自分に志はあるだろうか?」と考えて憂鬱になったりもしたけれど、お話自体はよいお話だったと思う。これからのことを考えるとプレッシャーを感じる。入学式は結局正味三十分くらいで終わった。学部の卒業式もこれくらい短いと良かったのだが。
ところで、三田に来るのは学部の入学手続きの時以来なので、ずいぶん久し振りだ。時間もあるので、キャンパスを少しゆっくり周る。そして思う。ここには伝統がある。そして伝統に裏付けられた自信が感じられる。それが心地よい。SFCは三田と比べるとなんというか「人工的」で、どこか心が落ち着かないところがあるように思う。もちろん、どちらが良いとか悪いとか言うつもりはない。
λ. 桜
キャンパス内に咲いている桜が綺麗だった。帰りにもあちこちで桜が咲いているのが見えた。ついでに、中島千波作品展「桜花爛漫」というのを見てきた。世間は桜の季節ですな。
桜といえば、西行法師が「願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ」と詠んだ通りに没したのは文治6年(建久元年) 2月16日だった。これはユリウス暦だと1190年3月23日、グレゴリオ暦だと1190年3月30日にあたるそうだ*1。今年の3月30日はもう過ぎちゃったな。一週間前は桜はまだあまり咲いていなかったように思うが、これはまあ誤差みたいなものか。ちと残念ではある*2。
- 参考
λ. Ωmega
イネムリネズミ日記(2005-04-04)より。スライド「Generalizing Algebraic Datatypes in Ωmega」を見た感想。
- Syntax は GADT のものではなく、Phantom types に似てる。
- New Kind の概念を導入してるのは、現在のGHCのGADTよりもスマートだな。
- Some example に挙がっている A Language with Security Domains はなんだろう。興味を引かれる。
-
[2005-04-07 追記] 説明ありがとうございます。
type-basedの情報流解析(information flow analysis)
と言われると良くわかります。このスライドの例だと確かにLowであるような式がHighの変数を参照しないことを強制できてますね。
SLam Calculus *1 についても後で調べてみよっと……*2
-
[2005-04-07 追記] 説明ありがとうございます。
- A Language with Security Domains の例を見ると、lazyでないのにはそれなりに意味がありそう。これは Hughes の Dependent Types in Haskell を読んだときにも思ったのだけど、undefined は「証明」の値として不適。
- Computing over types のところはあまり細かいことは書かれていないが、型上の計算をどこまで許すかというのは多分微妙で、そこにはデザインデシジョンがあるのではないかと思う。
- [2006-04-23追記] Programming with Static Invariants in Ωmegaも参照
2005-04-08 [長年日記]
λ. 「中国は周辺国の脅威にあらず」 温家宝総理
先日も書いたが「中国は周辺国の脅威にあらず」なんてのは全くの虚構だと私は思う。が、まあ、それはどうでも良い。これを見て悔しいと思ったのは、日本がアジアの将来のビジョンを語れないことだ。……
2005-04-09 [長年日記]
λ. 睡魔結界発動中
春眠暁を覚えずってね。
λ. お花見
に行ってきまつ。
今日の花見はRubyな人のお花見で場所は代々木公園。桜は流石に見事に咲いている。携帯の写真じゃあまり綺麗じゃないかも知れないけど、文字通り華があるね。桜の季節には日本に生まれてよかったと思う。
二次会では「川の長さは川の支点と終点の長さの何倍か?」といった話や、「自然対数の底 e の概念は如何にして発見されたのか?」といった話とか、ソフトウェア技術者の資格や免許といった話とか、ずいぶん色々な話題があったのを覚えている。ソフトウェア技術者の資格/免許の話は、つまるところソフトウェア技術者の労働力市場が典型的なレモン市場になっているということではないかと思った。
あと、超越数の話なんかもあった。超越数は無茶苦茶多い。なんたって、代数的数は可算個しかなくて、それ以外の実数は全部超越数だからね。にも関わらず、発見された超越数というのは非常に少なくて、このギャップがなんとも不思議だ。また、分数の概念を拡張すると、自然対数の底 e も(拡張された意味での)代数的数となってしまうという話も面白かった。そうすると、本当に超越してる数で我々の知っているのはπくらいしかなくなってしまうとか。
(2005-08-25 追記) 「臓器は血液を流れる栄養に関して競争関係にある」というような話が出ていたが、『生物の社会進化』 p.161-p.162 には次のようにあった。
血縁性は組織化のさまざまなレベルを区別する上でも決定的である.たとえば,私たちのからだの中の細胞に関して鍵を握る事実は,その遺伝的構成がすべて等しいことである.そのため,多細胞生物の進化の初期には,各細胞は自分の被るコストよりも繁殖細胞に与える利益の方が大きい場合には常に,繁殖を見合わせるように選択された.効率をよくする相互作用は全て促進されて,自らは繁殖を行わずに,繁殖を行う生殖細胞を助けて維持させる体細胞群が急速に発達した.すべての細胞の利害は完全に一致するので,特殊化は矛盾なく進化する.腎臓と肝臓とが血流中からどれだけの栄養分を取り上げるかをめぐって互いに対立するなどということはない.双方の臓器とも,より上位の単位の繁殖上の利益を最大にするだけの量の栄養を取得するように選択されてきている.
λ. 郵政民営化の議論に思う
そもそも民営化が何故効率化やサービス向上に繋がるかと言えば、民間には競争があり、インセンティブが存在するからだ。したがって、競争がなければ民営化したところで大した意味はない。民営化は魔法の薬ではないのだ。
が、過去の議論や現在行われている議論を見ると、「どうやれば競争的な市場に出来るか」という最も根本的な点ではなく、民営化後の事業の形態などの末端の話ばかりが注目されているように思う。全く茶番としか言いようがない。
2005-04-10 [長年日記]
λ. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
イムホテップたん、哀れ。
λ. 横田基地:空自司令部を移転 日米政府、共同使用で合意
首都圏上空の航空管制権が米軍から返還されるという部分がまず目を引いた。首都圏上空の航空管制権を米軍が持っているという事実はしばしば「日本は独立国ではなく米国の属国」という主張の根拠の一つとして使われていたのを思い出す。この返還は、そういった主張をしていた人たちにとってはシンボリックな意味があるのだろうけれど、それ以外に何か実際の変化があるのだろうか。
そして、この移転は米軍再編の流れの中でどう位置づけされて、そしてそれは日本や極東にとってどういう意味を持つのだろう? 僕はこうしたニュースに接しても、それが軍事的にどういった意味を持つかサッパリ分からなくて、いつも困ってしまうのだ。せめて、ニュースくらいは理解したいなぁ、と思う。そういった軍事に関する教養みたいなのってどうやって学んだら良いのだろう。SFCの授業でそういったのを学べる授業ってないのかなぁ……
2005-04-11 [長年日記]
λ. 『温度から見た宇宙・物質・生命 - ビッグバンから絶対零度の世界まで』, ジノ・セグレ(Gino Segrè) 著, 桜井邦朋 訳
を読んだ。
熱や温度を切り口としている点は竹内薫の『熱とはなんだろう—温度・エントロピー・ブラックホール…』とも少し似ている。話題の中心は全然違うけれど。
λ. Announce: 圏論勉強会(第六回)
[2005-04-15追記] 今回の勉強会は事情により延期となりました。
2005-04-12 [長年日記]
λ. Poderosa(ポデローサ)
Poderosa(ポデローサ) は、タブ式 GUI・SSH2 をサポートしているオープンソースの Windows 用高機能ターミナルエミュレータです。
私は Guevara で特に不便を感じていなかったので、ずっと Guevara を使っていた。だけど、こないだ花見のときにそれを驚かれてしまったので、これを機に Poderosa に乗り換えることにする。 だけど、自分が Guevara で不満に思っていた(些細な)点は Poderosa でも変化していなかったし、むしろ細かい機能が色々追加されているせいで、何だかごちゃごちゃしている印象を受けた。
λ. 不動産市場分析 (1)
- 不動産の特性
-
- 不動性 : 地理的に位置が固定、移動できない(位置固有性、非同質性、立地性)
- 耐久性
- 外部性
- 可塑性 : 併合/分割、用途転換、周辺環境の変化や開発による価値の変化(生産可能性)
λ. 安全保障論 (1)
takotさんとchikoさんに教えてもらったので早速覗きに行った。この授業面白いよ! 学部だけの授業なので履修は出来ないけれど聴講しよっと。
ところで、日本の大学では軍事を含む安全保障の議論は80年代半ばまでタブーだったそうだが……安全保障のような重要なテーマがタブーだったというのは正直言って想像しにくいな。また、かつて安全保障の議論のコミュニティは理論オタクと軍事オタクの巣窟だったとかで、政策学としての安全保障論の重要性を強調していた。
λ. プログラミング作法とICPC
火曜は 『プログラミング作法』, ブライアン・カーニハン(Brian Kernighan) , ロブ・パイク(Rob Pike) 著, 福崎 俊博 訳 の輪講と、ICPCの過去問に挑戦ということに。
2005-04-13 [長年日記]
λ. TBS字幕誤報:社員ら4人を不起訴 石原都知事発言で
そういえばそんな事件もあったなぁ。
TBS広報部は「今後、このようなことがないように努めてまいりたい。字幕ミスによって誤った表示をしたことは大変申し訳なく思っている」とコメントを発表した。
たしか、字幕だけじゃなくて語尾の音声も聞こえづらく編集してたはずだけど、それについては謝らないんですかね。
λ. オレオレ証明書が切ない
そうなんですよねぇ。あれもこれも「オレオレ証明書」で切ない。 といって、共通の認証局は存在しない*1ので、認証局証明書を一つインポートしてしまえば済むというわけでもないし……気持ち悪い思いをせずに使うにはどうすればいいのかなぁ。
λ. 情報通信論 (1)
やべぇ。対数の計算できなくなってるよ、オレ。
λ. 概念構築J (1)
.
2005-04-14 [長年日記]
λ. 『委員長お手をどうぞ』, 山名 沢湖
を読んだ。ほのぼのしてていいですな。4コマ委員長(4)の「おリボンは いざというとき しおりにもなって便利です」に笑った。
λ. ジンギスカンキャラメル
決して不味くはないのだけど、すごい違和感だなぁ。誰が持ってきたのか知らないけどGJ!
λ. The SLam Calculus: Programming with Secrecy and Integrity - Nevin Heintze and Jon G. Riecke
型システムを使ってデータの機密性を保障しようというのは誰でも考えるアイディアだけれど、実用的なシステムを作るのは結構難しいのね。この論文でまず面白いと思ったのは、direct reader と indirect reader を区別していて、両者への情報流に対して別の制約を与えられる点。
それから、Non-interference Theorem も面白い。論理関係をセキュリティに応用する話は Logical Relations for Encryption にもあったな。
2005-04-15 [長年日記]
λ. Announce: 圏論勉強会(第六回) は延期
会場が使用できなくなり、参加者も少数なので、今週末の勉強会は延期になったそうです。延期先はゴールデンウィークらしいのだけど、どうなることやら……
λ. Randomly Generated Paper Accepted to Conference
addieに教えてもらった。ウヒヒ
λ. Programming with Static Invariants in Ωmega - Nathan Linger and Tim Sheard
Ωmega の話。
Obligations と Assumptions による型チェックは "Wobbly types: type inference for generalised algebraic data types" のものよりも随分単純に見える……
不変量(invariant)を表現する方法としての、GADT と Nested types (non-regular types) の関係はどう考えるべきだろうか。
2005-04-17 [長年日記]
λ. C304 裏切りの村 目次
λ. C304 裏切りの村 プロローグ
時間に13人がそろわずにプロローグが24時間延びる。ディーターがあと一分早ければ13人で始まったのだろうけど、どっちが良かったかは分からんな。どうなるか楽しみだ。
それにしても、狂人と人狼が会話できるC国は初参加なので、ガクガクブルブルでつよ。
2005-04-19 [長年日記]
λ. 『銭 壱巻』, 鈴木 みそ
を読んだ。
生命の価値の評価といえば、ホフマン方式やライプニッツ方式はプロジェクト評価論でやったなぁ。ホフマン方式もライプニッツ方式も遺失所得をベースとした方法。遺失所得以外の方法もあるけれど、実務で使われることはないのかな。
λ. jhc
jhc is a haskell compiler which aims to produce the most efficient programs possible via whole program analysis and other optimizations.
[Haskell] ANNOUNCE: The jhc Haskell compiler. より。色々と興味深い。
プログラム全体を見た解析による最適化ってのは、局所的な解析による最適化と比べてチョー強力なんだけど、分割コンパイルなんかとの相性の悪さもあって、実用的なコンパイラで使われることは無かったように思う。それを打ち破る何かがあったのだろうか?
λ. 不動産市場分析 (2) — ストック・フロー・アプローチ
4象限モデル(The Dipasquale-Wheaton 4-Quadrant Diagram?)が面白かった。
λ. ICPC過去問: Hanafuda Shuffle
Haskellで瞬殺(HanafudaShuffle.hs)。ICPCじゃ実際にはHaskell使えないので、一応Cでも解いておいた。
2005-04-21 [長年日記]
λ. C304 裏切りの村 4日目
[2005-06-05 追記] 4日目に出たアルビン(真占い師or狂人)吊りに関する意見を簡単に引用しておく。
- 旅人 ニコラス 午後 10時 42分
オットーがアルビン吊りに触れているが、俺にはどうも良くわからない。
アルビンは真でも偽でも人間だよな。
もし占い結果や霊能結果によって情報を得られる見込みがあるなら、狂人吊りはそのための時間稼ぎになると思うけど、そうでない場合に狂人を吊ることに何かメリットはあるのかい?- パン屋 オットー 午後 10時 47分
一匹も人狼が吊れないと一日早く終わっちゃうよ。
- パン屋 オットー 午後 10時 49分 (独り言)
ニコラス・・・その発言は怪しすぎる・・・
- 旅人 ニコラス 午後 11時 18分
オットーに言われて少し考えてみた。
カタリナを吊った後、アルビンを吊ると「6人中2人が人狼」に、それ以外を吊ると「6人中1〜2人が人狼で0〜1人が狂人」となる。
確かに後者(の最悪の場合)には人狼側が票を合わせて勝負に出る可能性があるな。だけど、前者であってもそこで判断を間違えたら結局お仕舞いだぜ。
それならば、多少のリスクは負ってでもグレーを狭めるべきだと個人的には思う。
オットーの「一匹も人狼が吊れないと一日早く終わっちゃうよ」というのはあまり正しくない。残り人数が偶数である以上、狼側が最終日以外でランダム勝負に出ない限り早く終わることはない。そして、狼側が最終日以外にランダム勝負にでる誘因というのは実は小さい。
この辺りのことをちゃんと考えて理路整然と伝えられなかったことには悔いが残る。この発言がもとでオットーに疑われてしまったようなものだし。
[2005-06-06 追記] 青年 ヨアヒムのアルビン真の議論(1,2,3)は参考になるな。次に参加するときにはこういった視点も持ちたい。
ペーター真と思わせアルビンの信用を下げる、または本当にペーター真である。の、どちらかだとは思うんだが…どっちかというと俺は前者寄り。
以下ペーター真として。
ヤコブはちょっとアルビン寄りだったし、彼が村人でアルビン偽ならペーターを襲わず白判定を出せば信用度はそのままだったと思う。
それに今確定白といえるのは共有者の2人。ここで白判定を出せば襲撃範囲は広がり狩人はちょっと手一杯で確白狙いの襲撃成功率は上がる。
黒判定で得る利点は自分の信用を利用して弁の立つ村人を吊れる、ってとこなんだけど、これは対抗のペーターを襲うと自分の信用も下がるため成功率がかなり低くなる。それに襲撃対象は共有者の2択になり正直狩人との睨み合いがキツイのではないかと。
今GJ出されると吊り回数1回増えるし、かといってグレーを襲うと村人にヒントを与えてしまう。
そんな感じでヤコブ偽黒判定の利点は少ないと思うので、俺はまだアルビン真と見てるぜー。
[2005-06-07 追記] ところで、私は4日目の時点ではカタリナ人狼という思いから霊能者ローラーに目がいってしまっていて、その後の展開を十分に考えてれていなかったようだ。私は占い師or狂人のアルビンは吊らない方向で考えていたのだけど、その場合にはカタリナを急いで吊る必要も無いはずなのだ。だから、アルビンから黒判定を出されたヤコブを吊ってカタリナに判定させて、翌日にカタリナを吊るというのも十分に選択肢になったはず。その方向で考えをまとめて意見として主張すべきだった。
2005-04-22 [長年日記]
λ. C304 裏切りの村 5日目
残っているのが8人で、内訳は共有者2人、占い師or狂人のアルビン、グレー5人で、人狼がグレーの中に2人いるはず。その場合狂人の可能性があるアルビンを吊るほうが有利か、それともグレーから吊った方が有利か?
実際に、素朴なモデルで確率を計算してみるとこんな感じ。プレイ中に実際に書いたメモでは木として書いてたけど、この日記に木の図を書くのは面倒なのでここではテーブルで代用してみた。経過は縦方向に、可能性の分岐は横方向に対応している。分岐するところでは括弧の中に確率を書いた。
また、幾つか仮定を置いている。灰の中の誰が人狼かは無作為だとしているし、灰の中の誰を吊るかも無作為だとしている。また、アルビンが狂人である確率とアルビンが占い師である確率は半々であり、アルビンの占い結果は一切信用しないことにしてる。それから、人狼側は共有者を襲撃し、またランダムに賭けるのは(翌日の無い)最終日だけとしている*1。
5日目 (残り8人) |
人狼/灰 = 2/5 | ||
---|---|---|---|
5日目吊り先 | アルビン | ||
6日目 (残り6人) |
人狼/灰 = 2/5 | ||
6日目吊り先 | 村人(3/5) | 人狼(2/5) | |
7日目 (残り4人) |
- | 人狼/灰 = 1/4 | |
7日目吊り先 | - | 村人(3/4) | 人狼(1/4) |
勝利 | 人狼側 (3/5 = 60%) |
人狼側 (2/5 * 3/4 = 30%) |
村人側 (2/5 * 1/4 = 10%) |
5日目 (残り8人) |
人狼/灰 = 2/5 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
5日目吊り先 | 村人(3/5) | 人狼(2/5) | ||||
6日目 (残り6人) |
人狼/灰 = 2/4 | 人狼/灰 = 1/4 | ||||
6日目吊り先 | 村人(2/4) | 人狼(2/4) | 村人(3/4) | 人狼(1/4) | ||
7日目 (残り4人) |
- | 人狼/灰 = 1/3 | - | |||
7日目吊り先 | - | 村人 (2/3) | 人狼 (1/3) | - | ||
アルビンの正体 | - | - | 狂人(1/2) | 真占い師(1/2) | - | |
ランダムで決まる吊り先 | - | - | 村人(1/2) | 人狼(1/2) | - | - |
勝利 | 人狼側 (3/5 * 2/4 = 30%) |
人狼側 ((3/5 * 2/4 + 2/5 * 3/4) * 2/3 = 40%) |
人狼側 ((3/5 * 2/4 + 2/5 * 3/4) * 1/3 * 1/2 * 1/2 = 5%) |
村人側 ((3/5 * 2/4 + 2/5 * 3/4) * 1/3 * 1/2 * 1/2 = 5%) |
村人側 ((3/5 * 2/4 + 2/5 * 3/4) * 1/3 * 1/2 = 10%) |
村人側 (2/5 * 1/4 = 10%) |
5日目更新直前に書いた確率計算はこれを元にしたもの。ちなみに、この計算は共有者のモーリッツさんの言っていた1/4という数字が理解できなくて、どうやったら1/4という数字を導けるか考えた結果なのだが、モーリッツ本人はランダム勝負が可能になった時点で人狼がランダム勝負に賭けると考えて、2回のランダム勝負を潜り抜ける確率の1/2*1/2=1/4と単純に考えていたらしい。真面目に考えてちょっと損した。
*1 自明とは思うが、一応理由を説明する。仮に6日目に投票先が人狼に決定され狼がランダム勝負に出たとする。ランダム勝負に勝てればいいが、もし負けた場合には最後の人狼がばれてしまうので、翌日にもう一度ランダムになる。したがって、その時点でランダム勝負に出る場合の狼側の勝率は 1/2 + 1/2 * 1/2 = 3/4 。一方、その時点ではランダム勝負に出ない場合には、翌日の吊りが最後の狼にあたる確率は1/3で、その場合でもランダム勝負が出来るので、狼側の勝率は 2/3 + 1/3 * 1/2 = 5/6 。最終日以外はランダム勝負に出ない方が狼側有利。
2005-04-24 [長年日記]
λ. 鎌倉市議選
今日まで全然候補をチェックしてなかったので、とりあえず選挙公報に数値目標つきの公約を挙げてた人に投票。4年後に目標が達成されているかを確かめるために、後でここに現状と公約をメモしておこう。
λ. C304 裏切りの村 エピローグ
うわーん。負けたー。まあ、これは仕方が無かったかなぁ。
[2005-06-05 追記] 諦めてしまっては成長がないので、敗因をいくつか考えてみる。
- 狂人を吊るべきか否か、そしてランダム勝負をどう考えるかについて理論武装が出来ていなかった。そのために狂人or真占い師のアルビン吊りを回避出来なかった。
- エピローグでランダム勝負になった村を教えてもらったので、まずそれを読もう。本国587村と本国207村。
- アルビンをそこまで疑っていたわけではなかったが、一度アルビン狂人よりの意見を書いたら、それにひきづられてアルビン狂人と思い込みだしてしまったこと。
- ディーターが突然死することを心のどこかで期待してしまっていたこと。
λ. 確率論について
C304 裏切りの村 のエピローグでの発言を元に、自分の確率論に関する考えを書いておこうと思う。
「人狼BBSは推理と説得のゲームではあって、確率計算のゲームじゃない」と言われることもあるけれど、私は「推理と説得のゲームではあるけど、それだけのゲームじゃない」と思っている。
例えば、ローラー作戦(COした能力者を全部吊る作戦)なんてのも典型的な例だと思うのだけど、こっちが真能力者だという推理はしていても、そうでないリスクというのが無視できないから、念のために両方吊っておくわけだ。そこには「リスクの評価」という、「推理」と「説得」以外の行動が存在している。
そして、確率論と言うのはリスクを評価するための一つの強力な道具なのである。確率が強力なのは、数値とその演算に明確な意味が定義されているからで、それゆえリスクを定量的に評価するにはとても向いてる。
もちろん、私や他のプレイヤーが使っている確率モデルってのは非常に粗っぽいモデルで、現実からは大きな隔たりがある。だから、当然現実には計算した数値通りの結果になるとは限らない。だけど、現実からの隔たりがある程度あったとしても、確率論の「明確な意味」と「定量的評価」という強力さは変らない。だから、それでも現実のリスクを評価するための一種の「尺度」としては十分使えるのである。
(続く)
2005-04-26 [長年日記]
λ. 人狼疲れ
C304 裏切りの村 が終わって気が抜けたら、急に体調が悪くなった。プレイ中は気づいてなかったけど、結構疲れが溜まってたのかもな。
λ. 『カイジ 1』, 福本 伸行
を読んだ。月20%複利とか、利率1.5%の10分複利とかに笑った。月20%複利ってのは年利換算で792%。10分1.5%複利ってのは年利換算だと約1.58×10337%。文字通りの天文学的数字だ。
2005-04-28 [長年日記]
λ. E4X (ECMAScript for XML)
どーんとやってみよう(2005-04-27) と Derive Your Dreams (2005-04-27) より。
Erik Meijer の書いてた It's so Cool I am Freezing というエントリをちょっと思い出した。これがCωの XML Literal になったのかな。あと、HTMLをリテラルとして書くのはWASHでもやってたな。
λ. 『歴代首相の経済政策 全データ』, 草野 厚
歴代の内閣の経済政策について、どういった政治環境の元でどういった意図からどのような経済政策が決定され実行されたのか。それを丹念に追っている。戦後60年の経済政策を総ざらいするには素晴らしい本だろう。
ただ、注意すべきなのは、帯には「吉田、岸、佐藤、田中、中曽根から小泉内閣まで仁政の総理、失政の宰相、全内閣の経済政策を問う」と書いてあるけれども、それらの経済政策について具体的に経済学的な分析や評価を行っているわけではないこと。「問う」と書いておいてそりゃないよなと思わないでもない。
関係ないけど、この本を持っていたら某氏に「日帝の陰謀ニダw」と言われた。どうやら俺の読んでいる新書は韓国関係と思われているらしいw。でも、それは誤解ニダ。ウリの読んだことのある韓国関係の本なんて、『親日派のための弁明』,『親日派のための弁明 2』,『竹島は日韓どちらのものか』, 『独島/竹島 韓国の論理』 くらいしかないニダ。だから、それこそ日帝の陰謀に違いないニダ。謝罪と賠償を(ry
λ. 関数プログラミングの妙味
[haskell-jp:589] 会誌「情報処理」 Vol.46 No.4 のスレッドより。
ここで Backus の FP を見るとは思わなかったよ。ちなみに FP には変数がなく Haskell でいうところの point-free な書き方をするのだけど、この点ではCPLとも似てたりする。なお、FP の詳細については Can Programming Be Liberated from the von Neumann Style? A Functional Style and Its Algebra of Programs, John Backus を参照。
λ. 「耐100キロ級ボディ」の新キャビネットモデルも登場したLet's note新製品発表
ほすぃ。……といっても今ので別に困ってるわけでもないから買わんとは思うけど。
2005-04-29 [長年日記]
λ. 第三次国共合作?
台湾の国民党と中国共産党が接近していることが某所で「第三次国共合作」と書かかれていた。面白い。
λ. ソードフィッシュ
を視た。技術的なとこはノーコメント。終わり方はなんとも言えないが、安っぽい結末でなくて良かったと思う。
2005-04-30 [長年日記]
λ. Premonoidal categories and notions of computation, John Power and Edmund Robinson
を読んだ。
λ. 动漫渔场.东方同人堂
すげぇ。
λ. RDF Twig: XSLT Extension Functions for Accessing RDF Graphs
no ski, no life (2005-04-26) より。RDFの本質はXML表現ではなくグラフであり、また同一のグラフを異なるRDF/XMLで表現できることもあって、一般のRDF/XMLの変換をXSLTで書くのは非常に困難。そこで、XSLTにRDFのグラフそのものを直接操作するための拡張機能を追加してしまおうという話なんだろうけど、どんなインターフェースなのかが気になるな。
RDF Twig: Accessing RDF Graphs in XSLT, Norman Walsh を見ると結構シンプルだな。
ψ やいざわ [韓国人はもっと反発するような・・・< 中国はどの国も侵略したことはない 反日感情の根底には秀吉の朝鮮出兵があると聞い..]
ψ さかい [確かに朝鮮戦争の直接の当事者である韓国は日本以上に反発する……のかなぁ…… 最近の韓国の様子を見ていると朝鮮戦争のこ..]