2007-05-06 [長年日記]
λ. イデアル完備化の落とし穴
完備化(completion)と呼ばれると、閉包(closure)なんかと同じで、冪等な操作であることを期待してしまう。Knuth-Bendix完備化手続きなんかも冪等だしね。しかし、イデアル完備化(ideal completion)は冪等ではない。
N = {0≦1≦…} のイデアル完備化は Idl(N) = {0≦1≦…≦∞} となる。 さらにイデアル完備化をすると Idl(Idl(N)) = {0≦1≦…≦∞´≦∞} となる。 ∞はIdl(N)ではコンパクトではないが、Idl(Idl(N))ではコンパクトになっているのに注意。