2007-05-01 [長年日記]
λ. スコット位相の条件について
先日の圏論勉強会でスコット位相について言及したので、それに関して少し補足。
スコット位相は半順序集合(Pとする)にいれる位相で、次の条件を満たす部分集合(aとする)が開集合となる。
- upper closed: ∀x,y. x⊑y ∧ x∈a ⇒ y∈a
- inaccessible by directed join: ⨆↑S∈a ⇒ ∃x∈S. x∈a
前者の条件は分かりやすいが、後者の条件はわかりにくい。 具体例として D = {0 ⊑ 1 ⊑ … ⊑ ∞} という半順序集合へスコット位相をいれると、 ↑n = {x | n⊑x} は開集合となるが、↑∞ = {∞} は開集合とはならない。 この背景には「開集合は半決定可能(semi-decidable)な性質を表す」という位相の見方がある*1。 もちろん、スコット位相は領域理論で生まれた概念なので、領域を対象とした半決定可能な性質を対象にする。
上の D はHaskellで定義すると data D = S D
となり、各要素は undefined
, S undefined
, S (S undefined)
, …, infinity = S infinity
となる。
このとき与えられた値が ↑n に属するかどうかは、もし実際に属していれば有限回のパターンマッチで判定できるので、半決定可能である。
しかし、↑∞ に属するかは半決定可能ではない。
そのため、↑∞ を開集合にするわけにはいかず、(2)の条件が必要になっている。
*1 開集合系が有限個の「かつ」と、任意個の「または」に関して閉じていることは、この見方に合致している
λ. 学生っぽい一日
会社が休みなので、今日は朝から学校へ行ってきた。 なんだか、学生っぽい一日だった。
メディアセンターで『量子ファイナンス』を返却。 というのも、大分に行く前に返却しないと、返却期限に間に合わなくなってしまうため。 まだあまり読めていないので残念。
その後、ソフトウェアアーキテクチャの授業を聴講。 今回はTeXの回で、TeXについてはあまり知らなかったので面白かった。 しかし、TeXで家計簿というのは凄いね。 次の時間は、(先日第一回を見た)システム・ソフトウェアの授業があったのだが、それに気付いてなかったため研究室でダラダラしてしまった。勿体無いことをした。研究室ではキミキスの漫画とかジャンプとかを読んでた。
研究会で、ダイクストラのアルゴリズムについて復習。
IT-System 。書き手が「マークアップで意図を表現」するのに対して、読み手は「目を引く部分に重要性を感じる」というギャップがあるという話が面白かった。BOZARR の話も面白かった。
飲み会(新歓?)。
帰りのバスの中で物思いに浸る。 今更、学生に戻りたいなどとは思わないけど、学生時代にもっと〜してれば良かったというのは結構あるし、過ぎ去りし日への郷愁も感じずにはいられない。