2004-07-01 [長年日記]
λ. 野田聖子氏講演
今日の「政策デザイン論A」は野田聖子氏の講演だった。(SFC CLIP の記事)
以下は個人的なメモ。私の誤解や勘違いが入っている可能性もあるので、これを使って何かする際には気をつけて下さいね(言うまでもないでしょうが)。
- 大学時代は議員になるなんて考えていなかったので、法律については全然やっていなくて、宗教学をやっていた。
- 今期成立した法律条約は170件ほど
- 変だなと思った法律もある
- e.g) 防衛庁の人員に関する法律
- 予備自衛官の人員を一人増やすのに法律改正
- 運用でどうにかならないのか?
- 「代議士、これがシビリアンコントロールです」
- 一法案に最低4時間の審議時間
- 一日の国会の諸経費、約1億円
- e.g) 防衛庁の人員に関する法律
- 何故2か月でこれだけ通るか?
- 通るものしか国会に出てこないから c.f. 与党の事前協議
- 消防法の改正のような、日常に関係のある法律もどんどん成立している。
- 火災報知器の設置の義務付け
- 変だなと思った法律もある
- 自民党は国会議員が法律を作ることを望まない
- 一般的な自民党議員は法律を作らない
- 野田聖子が熱心に進めている法案
- 夫婦別姓法案
- 発達障害児支援
- カジノ設置法
- 国会議員には法案作成のためのスタッフがいない
- 児童買春禁止法
- 原案作成に7年間かかった
- 厚生労働省が手伝ってくれなかったから
- 児童ポルノ禁止法
- 数年前の国連の調査では、日本は児童ポルノ生産ナンバーワン。(cf ヤクザ)
- コミック愛好者から誤解した抗議が沢山来て頭にきた。ちゃんと法案を読め。 実在しない児童を描写したコミック等は対象外。
- 議員立法
- 役人がやりたいけど、これまでの流れと変わるから国家議員の名前を借りて立案するもの
- 役人もやりたくないもの
- 夫婦別姓
- 夫婦同姓を強制している国はあまりない
- 戸籍も割と日本独特の制度
- 「夫婦同姓の方が戸籍管理上メリットがある」くらいしか夫婦同姓を維持する積極的な理由は思いつかない
- 同姓を義務付けたのは明治23年
- 当時の官僚はわりといい加減で、「夫婦別姓は国家解体や家族の崩壊に繋がる
」というような理由ではなかった
- 最初は別姓が義務だった
- 同姓がトレンドになった
- それを追認するような形で明治23年に法律が出来た
- 当時の官僚はわりといい加減で、「夫婦別姓は国家解体や家族の崩壊に繋がる
」というような理由ではなかった
- アカっていわれる(笑)
- 「それぞれの家を護る」という自民党のオヤジ議員の好きそうな目的でやってみたけど、だめだった
- 発達障害児
- 自閉症, ADHD, LD
- 障害が分からない
- 生まれてくる子供の10人に一人くらい
- でも、障害者には入っていない
- カジノ設置法
- 公営ギャンブルはいっぱいある
- でも「ギャンブルはよくない」という国民性
- 新宿歌舞伎町にはカジノバーばっかり
- アンダーグラウンドじゃなくす
- 税収にあてる
- 自民党は政府提案を優先して議員提案を後回しにさせる
- ⇒ 国会議員の議員立法へのやる気がなくなる
- 小泉さんの改革は基本的に支持しているが、それ以前に国会の改革が必要
- 結果が見えてるから、かえって正直な人ほどメールしたり居眠りしたりする
- が、もっと悪いのは本会議場に出席してない議員。 そういう議員が全然責められないってのはマスコミがおかしいよね
- 国会にいないと生命が危ない、ってくらいにしたい
- クロスボーディングはどんどん進めるべき
- 秩序ある怠慢よりも混乱のある???(聞き逃した)
- 私が法律を作りたいのは...
- 「国家を運営するのは良質の(良識のある、だったかも)個人」という信念
- だけど「個人」は今の自民党ではタブー
- diversity
λ. 紀州うめプレッツェル
(゚Д゚)ウマー
2004-07-03 [長年日記]
λ. 携帯が故障
充電してたらいつの間にか電源が入らなくなっていた。近くの電気屋に持ってったけどダメっぽかったので、新しいのを買った。電源が入らなかったのでデータを救出することも出来ずアドレス帳とかが全部パーに。orz
そんな訳で、お手数ですが、友人知人関係のみなさま、お手空きのおりに私の携帯メール宛にでも電話番号/メールアドレスをご通知いただけるとありがたいです。
λ. ネクロファンタジア
白と黒の夢郷の青汁さんのこの絵と文を読んで、無性に「ネクロファンタジア」(少女幻葬じゃない方)が聴きたくなり、久しぶりに妖々夢のPhantasmをプレイ。あー、「妖々跋扈 〜 Who done it!」も懐かしい。いいね、いいね。
ってな感じでプレイしてたら「弾幕結界」とれた(th7_udsa15.rpy)。第四段階は辛いのでレザマリの人の安地に逃げちゃったけどね(テヘッ)。というわけで、これでスペルカード取得枚数141/141。
λ. Bananas in Space: extending Fold and Unfold to Exponential Types
fixed points of difunctors can be expressed in terms of fixed points of covariant functors. って所にちと興味を持って眺めてみる。endo-difunctor F: Cop×C→C の最小不動点は、G: Cop→C, G(X) = μF(X,-) とおくと、μG2 と同型なんだそうだ。でも、いまいち良く分からなかったので、Peter Freyd. Recursive types reduced to inductive types. を探すかなぁ……
2004-07-11 [長年日記]
λ. 参院選
投票してきた。私は自分の一票が「清き一票」だなんて全然思わないのだけど、組織票が大きな影響力を持っているのは嫌なので、そういう連中への嫌がらせと思って、一応欠かさず投票することにしてる。投票するからには適当に投票するのもアレなので、各党/各候補者の主張はチェックするのだけど、当然のことながら全ての論点において自分と同じ意見の政党/候補者なんて普通はいないわけで、結構悩んでしまうのだった。まぁ、結論としては自民党に投票したわけだが。
2004-07-16 [長年日記]
λ. Call For Participation: Haskell Marathon
もちろん参加します。
λ. Amazon.co.jp
注文した商品の個別の発送可能時期は「通常24時間以内に発送 」から「通常2〜3日以内に発送 」で、「商品 まもなく発送されます」にもなっているのに、配送予定日が「08/16 - 09/ 1」ってどういうことよ。ファッキン。
2004-07-17 [長年日記]
λ. 素数リスト
RHG読書会後ジョナサンで mini Haskell Marathon と称して数人でコードを書き散らかしたが、その中に僕が書いたコードで素数のリストを以下のように定義するのがあった。
prime :: [Integer]
prime = 2 : [n | n <- [3..], f n]
where f n = all (\p -> n `mod` p /= 0)
(takeWhile (\p -> p <= g n) prime)
g = floor . sqrt . fromInteger
こいつが well-defined であることはさすがに自明ではないな。
考えてみると、3以上の任意の自然数nに対して、
floor(√n) < p < n を満たす素数pが存在すれば、
こいつが takeWhile (\p -> p <= g n)
に対する番兵になって
無限ループに陥らないはずだ。
- n=3 のとき
- floor(√n) = 1 < 2 < 3 = n
- n≧4 のとき
- 「ベルトランの仮説(Bertrand's postulate) 」 ∀n∈N. (n≧2 ⇒ ∃p∈N. Prime(p)∧(n < p < 2n)) から、 ある素数pが存在して floor(√n) < p < 2 floor(√n) で、 ここで 2 floor(√n) ≦ √n floor(√n) ≦ n なので、 floor(√n) < p < n 。
というわけで、問題なしと。
2004-07-20 [長年日記]
λ. 公共選択論テスト
過去問を見て半ば諦めていたのだけど、思ったよりは簡単だった。単位は多分くる……といいなぁ。
λ. システムソフトウェア
A4一枚だけ持ち込み可だったのだけど、持ち込んだ紙は結局一回も参照しなかった。この授業はAが取れないと意味がないんだが、はたしてどうなるやら。
λ. 買った本
- 『嘘つきは妹にしておく』
- 清水 マリコ [著], toi8 [イラスト]
- 『Rubyレシピブック 268の技』
- 青木 峰郎, 後藤 裕蔵, 高橋 征義 [著], まつもと ゆきひろ [監修]
- サポートページ
- 『西遊奇伝大猿王 (1)』
- 寺田 克也 [著]
- 『冷たい密室と博士たち』
- 浅田 寅ヲ [画], 森 博嗣 [原作]
- コミックマーケット66 カタログ
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λ. AKSアルゴリズム
先日、素数リストを書いたついでに "PRIMES is in P"のアルゴリズムを Haskell で素朴に書いてみた(PrimesIsInP.hs)ら、死ぬほど遅かった。「多項式の乗算にFFTを使えば」とかいう以前の遅さだ。やっぱ、向いてないのかなぁ。
ためしに STUArray を使うように書き換えてみた(PrimesIsInP_2.hs)。ちょっとは速くなったかな。
2004-07-27 [長年日記]
λ. ⊂⌒~⊃。Д。)⊃
気持ち悪い。早速、夏バテか。
λ. Enumerating the Rationals.
LtU より。既約分数を効率的に列挙するアルゴリズムの話+α。数学的には新しい話ではないそうだけど、例の既約分数クイズの解答の Stern-Brocot Tree に興味を持った人は読んでみると面白いかも。
2004-07-28 [長年日記]
λ. FREYD, P. J. 1990. Recursive Types Reduced to Inductive Types. In Proceedings 5th IEEE Annual Symp. on Logic in Computer Science, LICS'90 (Philadelphia, PA, USA, 4-7 June 1990). IEEE Computer Society Press, Los Alamitos, CA, 498-507.
7月3日に言及した論文だけど、某先生が持っていたのでスキャンして貰うことが出来た。ラッキー。
ここでいう Recursive Types はパラメータが正負両方の位置に現れるようなオペレータの(最小)不動点、Inductive Types は正の位置にしかパラメータが現れないようなオペレータの不動点。ある条件を満たす圏(CPO-Category)では、Recursive Types は Inductive Types に還元できる。このことを T-dialgebra, T-invariant object といった概念を導入して証明してる。なかなか面白かった。
2004-07-29 [長年日記]
λ. あー、ちょー突っ込みたいけど我慢我慢。君子デムパに近寄らずというし、スルーの方向で。だいたい、玲様が普通の人に見えるくらいの大出力のデムパの相手なんか俺には無理!!
λ. WASH
Lightweight Language Weekend 2004 の「その場でどう書く」にそなえて、いちおうWASHをkenchoのホームディレクトリとラップトップとにインストールしておく。ユーザマニュアル(のドラフト)も一応読んでみたところ、ちょっと微妙な気もする。
それはそうとLL Weekend のプログラムを見ると、私が最初に発表するのかしら。ぐぼはぁ。
2004-07-30 [長年日記]
λ. 萩野服部研 最終発表
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λ. MSDN AA
夏休みに入るとあんま学校に来ないだろうから、今のうちにラップトップに Virtual PC, Visio, OneNote 等をインストール。
λ. 打ち上げ
.
2004-07-31 [長年日記]
λ. 今日から一応夏休みか。
λ. お昼
純広東家庭料理「嘉賔(KAHIN)」。
λ. Haskellの代数的データ型は始代数ではない
Haskellマラソンで「Haskell の普通の代数的データ型は始代数(initial algebra)になっていないと話したが、例がちょっと間違っていたので、とりあえずここに書き直しておく。
たとえば、「data N = Z | S N
」という代数的データ型と、以下のようなダイアグラムを考える。
Z S 1 ──→ N ──→ N │ │ │ │ │ │ │ ↓ ↓ └──→ N ──→ N Z id
これを可換にするような N→N は複数存在し、ユニークには決まらない。例えば以下のh,h'は共にこのダイアグラムを可換にするが、hが正格であるのに対してh'は非正格なので等しくない。
h, h' :: N -> N
h Z = Z
h (S x) = id (h x)
h' _ = Z
一般に、pointedなCPO と正格なものに制限されない連続関数からなる圏には、始代数は存在しなかったと思う。(Haskellにはpointedでないようなデータ型もあるけど、それはそれ)
λ. Haskellの代数的データ型は始代数ではない? (2)
2005-02-25に追記。上記の議論は正しくなかった。代数的データ型の領域を構成するときに使う separated sum A+B は圏論の意味での直和(coproduct)ではないので、h'が上記のダイアグラムを可換にすることからは、下記のダイアグラムを可換にすることは言えない。実際 h' ([Z,S] ⊥) = h' ⊥ = Z は [Z,id] ((1+h') ⊥) = [Z,id] ⊥ = ⊥ と等しくない。したがって、これは反例になっていない。
[Z,S] 1+N ───→ N │ │ 1+h'│ │h' ↓ ↓ 1+N ───→ N [Z,id]
λ. Haskellの代数的データ型は始代数ではない? (3)
2005-02-26 に追記。横山さんの日記で言及されたのをきっかけに色々と考えてみたのだけど、考えていてだんだん分からなくなってきた。とりあえず、自分が理解していることだけを簡単に書いておこうと思う。
pointed CPOと任意の連続関数からなる圏では、関手F*1の終余代数のinverseは弱始代数(weak initial algebra)ではあるけれど、本物の始代数になっていないことがある。ただし、正格な連続関数だけに制限した部分圏の始代数にはなっている。
簡単な具体例としては恒等関手や(圏論の意味での)直積の場合がある。恒等関手については、対応する型構築子とその不動点となるデータ型をHaskellで実際に定義することが出来る(e.g. newtype I x = I x; type T = Fix I
)。一方、(圏論の意味での)直積はCPOとしては存在してもHaskellで定義することは出来ない*2。
それにしても大げさなタイトルをつけてしまったもんだ。例は間違ってるし、タイトルは大げさすぎるしで、恥ずかしいなあ、もう。
λ. Haskellの代数的データ型は始代数ではない? (4)
2005-02-28 追記。もう少しすっきり理解できた。
- 定理1 (Recursive Types Reduced to Inductive Typesより)
- (X,φ) が正格な連続関数だけに制限した部分圏の始代数 ⇔ (X,φ-1) が終余代数。
- 定理2 (自分で証明)
-
任意の A, B, f:A→B について Ff: FA→FB が正格とする。
このとき、(X,φ) が始代数 ⇔ (X,φ-1) が終余代数。
でも、これじゃ定理2よりHaskellのほとんどのデータ型は始代数と考えて問題なくなっちゃうじゃないか。う〜ん、残念(ぉぃ。