2006-10-25 [長年日記]
λ. 始代数の持ち上げ
関手 F: C→D, G: D→C と、FG: D→D の始代数 (μFG, in_FG: FG(μFG)→μFG) があったとする。このとき、(G(μFG), G(in_FG): GFG(μFG)→G(μFG)) は GF: C→C の始代数になっている。任意のGF代数 (X, φ: GFX→X) への射 fold_GF(φ) は φ . G(fold_FG(Fφ)) で定義する。
準同型になっていることの確認:
fold_GF(φ) . G(in_FG) = φ . G(fold_FG(Fφ)) . G(in_FG) = φ . G(fold_FG(Fφ) . in_FG) = φ . G(Fφ . FG(fold_FG(Fφ))) = φ . GF(φ . G(fold_FG(Fφ))) = φ . GF(fold_GF(φ))
一意性の確認:
f . G(in_FG) = φ . GFf ⇒ f = φ . GFf . G(in_FG^-1) = φ . G(Ff . in_FG^-1) = φ . G(Ff . fold_FG(FG(in_FG))) = {- Ff . FG(in_FG) = Fφ . FG(Ff) より cata-fusion -} φ . G(fold_FG(Fφ)) = fold_GF(φ)
cata-fusionの部分の図式:
応用?
これを使うとCPOと始代数等で書いた話の、「f:X→Y によらず Ff: FX→FY が正格であるとき、C⊥でのF始代数は、CでのF始代数にもなっている」という部分を示すことが出来る。Ffはfによらず正格なので、Fは F: C→C⊥ と見なせる。でもって、Uを忘却関手 C⊥→C とすると、FU: C⊥→C⊥ の始代数 (μFU, in_FU) に対して、(U(μFU), U(in_FU)) は UF: C→C の始代数になっている。
これを示すには lifting L: C→C⊥ と忘却関手 U: C⊥→C の随伴が関わってくるのではないかと思ってたけど、全然関係なくて意外だった。むー。
一般化?
終余代数についても同様のことは当然言える。
何かうまい一般化はないか?