2006-10-12 [長年日記]
λ. 2-Category by John Power
モノイダル圏とか扱っていると、2圏の言葉がやはり便利そうなので、読んでみる。
ところで、XyPicの2cellの使い方が良くわからない。 テステス。
λ. 韓国から見た日韓・日朝関係
今週のリージョナルアナトミー論Eは、先週の伊藤直樹外務省国際協力局総合計画課長(前北東アジア課長)の講演「日本から見た日韓・日朝関係」に続いて、趙泰永(チョ・テヨン, 조태영, Cho Taiyoung)在日韓国大使館参事官の「韓国から見た日韓・日朝関係」という題での講演だった。講演の開始前に阿川先生が「これから何週間かは国際政治を見るのにまたとない良い機会だろう」と言っていたが、非常にタイムリーな講演だったのではないかと思う。
趙泰永氏は非常に人当たりのよい方で好印象だったのだけど、話の内容には日韓の溝や温度差を感じずにはいられない部分もあった。
以下メモ。
韓国はどういう国か?
- 人口
- 韓国は4800万。北は2300万。あわせて7千万くらい
- サイズ
- 日本の38万平方キロメートルに対して韓半島全体は約22万。 その中で10万が南で、北が12万くらい。
- 南北で分断されたのはいつ?
- 45年に植民地時代が終わる。50年から53年7月まで戦争が南北朝鮮の間であり、53年に休戦協定が出来て、それからずっと北と南に。今も韓半島は休戦状態であり平和協定がない。技術的にいうと戦争が続いている。 北と南の間に休戦ライン、だいたい38度線のあたり。休戦ラインの上の2km下の2km、あわせて4kmが非武装地帯(DMZ, DeMilitarized Zone)で、そこには通常入れない。そこは動物と植物の天国になっている。
- 今の大統領
- 盧武鉉(ノ・ムヒョン, 노무현, Roh Moo-hyun)
- 一人当たり国民所得
- 日本は大体$36000。韓国は$14000くらい。
隣の国がどういう国であるかを正確に知って欲しい。
韓日関係
9日の安倍総理の訪韓は成功裏に終わったと韓国の政府とプレスは評価。
韓日の様々な共通点
- 地理的に北東アジアに位置。地政学環境がすごく似ている。アメリカと同盟国。ただし、日韓は同盟国ではない。
- アジアで最も成熟した民主主義を謳っている。 「市場経済」「民主主義」「法の支配」という基本的な価値を共有。
- アジアの経済の面では日本も韓国も先進国。韓国はまだ先進国とは言えないけど先進国に近い。日本のGDPは大体5兆ドルくらい(世界で第二位)。韓国は7千億ドル(世界で11〜12位くらい)。
- OECD(いわゆるお金持ちのクラブ)のメンバー国。アジアでは日韓だけ。
- 文化や言語が似ている。語順がほぼ同じ。
共通点が多く、強い戦略的パートナーになれる余地も大きいと見ている。 ただし、両国間には問題点もある。それで、こうした問題をいかにマネージしながら、パートナーとして共に未来をひらいていくかが課題。
韓国人が重視している点、韓国人の考え
不幸なことに歴史問題がある。
- 日本の植民統治が1945年8月15日まであり、韓国は日本の植民地を経験。
- 日本政府の立場: 併合条約は国際法に則って結ばれて、問題ない。
- 韓国の立場: 強制的に結ばれたのでそもそも無効。 「この世の中に自分の国を『どうぞ』と差しあげる国がどこにあるのか」という論理。
- 45年に植民地時代が終わって20年たった1965年に外交関係をまた結んだ(国交正常化)。1965年6月22日に署名されて、12月22日に発効。
- 45年から60年以上たったが、不幸なことに両国関係に歴史が影を落している。
- 日本側の主張
- 「60年経ったし、この60年間平和国家を目指してきた。平和国家として立派な業績がある。だから過去は忘れてこれからの未来に向けていきましょう」(いわゆる未来志向)
- 韓国側の主張
- 「それは結構なことだけど、過去は過去としてきちんと清算してください」「過去をまず反省して、こういうことは二度とやらないと」「反省をしていることをわかるようにしてください」
- 日本側の主張
- 「幾度も謝罪したじゃないですか。お詫びしたし、条約も、文章も書いたし、村山談話もあったし」「いまだに、過去の話ばかりするのですか?」
- 韓国側の主張
- 「それはわかります。でも、日本の政治家とか偉い方の発言をみると、あまり反省していないような気がします」「われわれに納得できるように、安心できるようにしてください」
- 堂々巡り。水掛け論。
- 歴史問題を双方が知恵を出してしっかり解決して、その基礎の上でたくましい両国関係を築いていきたい。
- 望んでいるのは「もう一度謝ってください」ということではなく、「被害者であった韓国人の心を傷つける発言をしないでほしい」「反省の心を行動をもって示して欲しい」ということだけ。
- 靖國神社問題
- 韓国人の心の中で大きな問題。韓国人の考え方は「戦争を起こした責任者、いわゆるA級戦犯が祭られている。その神社を参拝しながら、どうやってあの戦争を反省しているということが出来るのか。矛盾ではないのか?」というもの。ドイツではナチの戦犯を祭ったりしていないし、参拝もしていない。
- 靖国には2万2千人の韓国人が祭られている。強制動員されて日本の軍人・軍属になった韓国人が、本人や遺族の意思とは関係なく合祀された。これはとんでもない話だとして合祀の解除を求めているし裁判も訴えているが、裁判でも負けた。
- 政治指導者の参拝がないことを望んでいる。本人や遺族の意思と関係なく祭られている2万2千人の韓国人も分祀されることを望んでいる。
- サハリン在住の韓国人の帰国問題。植民地時代に本人の意思とは関係なくサハリンに行った韓国人が終戦後帰らなくなった。日本の国籍を失ったが、当時のソ連の国籍でもないし、しかも韓国とソ連は国交もない。法の死角で帰れなくなった人がいまだにいる。ロシア政府と彼らをどうやって本国に戻せるか議論している。
- 遺骨問題。旧日本人の軍人・軍属となって戦死した韓国人の遺骨の収集がまだ終わっていない。
- 韓国人B・C級戦犯の問題。韓国人も軍属になって捕虜監視員として働いた。戦後裁判になって彼らもB・C級戦犯になり、一部は処刑された。一部はいまだに日本政府に補償を求めている。
もう少し明るい話。
- 韓日FTA。
- 非常に良い話だと思う。同じ価値観を持ち、近くて交流も大きな国はFTAをやるべき。
- 2003年から2004年まで交渉が6回あったが、農産物の問題でその後の交渉が止まっている。最初は高い(自由化の)レベルのFTAを目指す約束をしたが、日本側の「農産物は自由化の率を上げるのは難しい」という話があり、韓国側は「それは話が変わるんじゃないか。違うんじゃないか」という話になり、両政府は言い争いをしている。
- 足踏み状態だが早く再開されることを望んでいる。
- 羽田空港と韓国ソウルの金浦(キンポ)空港の間のシャトル便
- 両方とももともとは国内線向けの空港だけど、現在は毎日8便飛んでいる。
- 拡大したほうが良いと思うし、多くの韓国人はそう望んでいる。
- 羽田とプサン、羽田と済州島とか、需要も希望もある。
- 羽田と上海を結ぶ話も出ている。これが実現すると羽田・金浦・上海の三角の空路が出来、三国間の観光の振興のも非常に役立つと考えている。
日朝関係
- 韓半島
- 戦争が終わっているわけではなく、いまだ停戦状態。平和協定を結ばなくてはならない。また地球上で冷戦構造が残っている唯一の地域。
- 韓国は現在唯一の分断国
- 緊張が非常に高い地域
- 月曜日に核実験を行ったと北朝鮮が発表
- 北朝鮮の人口は2300万人だが、軍隊は117万。韓国は人口4800万で軍隊は68万。正常とは言えない。
- 韓国は莫大な国防費を負担。国防費は年間130億ドルで、これはGDPの約3%。結構高い水準。日本はGDPの1%弱で約400億ドル。ただ物価の水準も高いので単純な比較は出来ない。北朝鮮はGDPの40%くらいが国防費。
- 日朝関係は、1992年から始まって交渉が何回か行われたが、今は止まっている。去年の2月にも北京で交渉が行われ、三つのトラックで話をしていこうという合意まで出来たが、拉致問題もミサイルも核もあり、現在交渉が止まっている。
- 韓国の基本的立場
- 日朝国交正常化を支持。支持どころか促している。
- 韓半島の緊張緩和が最大の目的。
- 緊張緩和に役立つと信じているため日朝国交正常化を支持。
- 当面の目的は、北朝鮮を国際社会の正常な(まともな)一員にさせたい。それが韓半島の緊張緩和や日朝国交正常化に寄与すると信じている。
- 日朝の交渉で頭越しは困る。韓国と良く相談して欲しい。これには日本側も賛成している。
- 月曜に北朝鮮が核実験を行ったと発表
- 国連安保理で制裁決議案が議論
- 日本は独自の追加制裁案を発表
- 韓国でもこれまでの北朝鮮政策は間違っていたのではないかという批判が出ている
- 韓国の立場は「断じて容認できない」というもの。
- (日本などの)一部では「韓国は、北の核兵器はいずれは自分のものになると思って、心の中ではそう反対して無いんじゃないか?」という指摘があると聞いている。そういう話が全然無いわけではないが、そう考えているのはごく一部で、見識の無い人の主張だと思う。韓国人の99%以上は「北朝鮮の核は絶対許さない」と思っている。
- 具体的にどうしたらよいのか
- 北をどう見て、どうアプローチしたらよいのか、という問題に尽きる
- 北朝鮮はどうしてこういうことをしているのか、その分析から始まる。分析に正解はないが、経験や蓄積してきた知識から分析するしかない
- 韓国はこの10年間「抱擁政策(太陽政策)」をやってきた。
- 出発点: 「北が悪いことばかりしているのは、心の中が不安(insecure)だから」
- 分析: 「何もないから不安」「この地域で自分だけが何も無い」。アメリカに対する被害妄想や被害意識(「レジームチェンジをするんじゃないか?」等)。不安で「このままではいられない」と考えたのではないか。
- 「その不安を解消してやろう」「それが結局近道(歴史上、外からの圧力で政権がかわった例はあまり無い)」 ⇒ 抱擁政策
- 南北の交流が増えるなど、ある程度の成果があった
- 金剛山観光。韓半島の東海岸にある、休戦ラインのすぐ上の、韓国で一番美しいと言われている山。10万人くらいが北朝鮮を訪問。
- 休戦ラインのすぐ上の都市、開城(ケソン)に工団(工業団地)を作り、韓国企業が進出し、製品を作って逆輸入する、というプロジェクトが始まった。
- その他交流プロジェクトがいろいろ出来ている。北朝鮮の自然資源を利用する代わりにお金をあげるとか、お互いにとって利益になるプロジェクトが出来ている。
- 人の往来が出来、物の往来が出来、お金の往来が出来、信頼関係も増えた。それが緊張緩和に役立つと考えていたし、実際あったと考えている。以前は船で金剛山観光へ行っていたが、今は自分の車で行ける。
- 一部で「抱擁政策で北朝鮮に流れたお金がミサイル開発・核兵器開発に使われたのではないか」との批判の声もある。今のままでは抱擁政策は出来ないと考えているが、抱擁政策のせいで核開発などをしたという意見にはまだ同意していない。
- 韓国の中には「北は核兵器とミサイルを放棄し、外と付き合って、正常な一員になって、自分の体制も保障されてされて、といった道を選ぼうとしたが、あまりに外からの呼応がなくてこういう道を選んでしまった」という見方もある。
- 日本政府には日本政府なりの見方や政策があるが、それに対してはコメントしたくない。
まとめ
- 歴史問題など様々な問題があるが、日韓は強力なパートナーになれる。
- 朝鮮半島の緊張緩和に、日本と韓国は緊密に協力すべき。
- 長期的には朝鮮半島はいずれは統一されると思う。それは民主主義の元での統一にならざるを得ないし、そうなると100%確信している。そのプロセスに日本は大きく寄与できるし、協力していただきたい。そうなると、(取引ではないが)歴史問題もほぼ無くなるのではないかと思っている。
- ヨーロッパには地域機構、EUやOECDとかOSCとかの安全保障関係の枠組みがあり、うらやましい。この地域でもやってみるべき。日中の競争、ライヴァル関係というのを耳にしているが、そういうゼロサムの関係でとらえるべきではない。アジアでも地域全体の皆の利益になるような関係作り、そのための枠組み、地域協力機構を作るべきではないかと思う。日韓はその中核になりうる。
- EAS(East Asia Summit, 東アジア首脳会議) や ASEAN+3 。ASEAN+3はASEAN中心で+3はおまけだけど、皆で平等な形で会いましょうというのがEAS。この枠組みを発展させると、地域協力機構、さらには地域安全保障にもなりうるのではないかと思う。また、六者会談もうまく育て上げれば、一つの安全保障機構、安全保障対話の枠組みの種になれると思っている。日本と韓国が手を携えて、地域全体をよくする枠組み作りに協力したいと思っている。
- 韓国と日本は良く似ている。が、似て非なる部分もある。例えば、「八方美人」という言葉。韓国では「何かもかも出来る」という非常に良い意味。日本では否定的なイメージ。似ている部分は大事に育て上げ、非なる部分には気をつけて協力していけば、必ず立派な隣国関係になれるのではないかと思う。
柳町功総合政策学部助教授のコメント
(後で書くかも?)
質疑応答
- 質問
- 「日韓首脳会談で、安倍首相は北朝鮮の核実験に関して、韓国と共同宣言を出そうとしたが、盧武鉉大統領は歴史認識の改善を議題に持ち出して、結局共同宣言を出すことに失敗してしまった」と新聞で読んだ。北朝鮮の核開発の問題と歴史認識の問題、韓国にとってどちらが重要か?
- 回答
- 日本の新聞報道は若干事実関係が違う。日本の新聞は「盧武鉉大統領は日本側の共同声明の提案にあまり取り合わずに歴史の話をした」と報道しているが、実際は、韓国側は「日韓だけで今の段階で慌てて何かを出すよりは、みんなで相談・調整したものを出したほうが良いのではないか」「歴史のこと等も入れてバランスのとれた内容にした方が良いのではないか」といった提案をしたが、結局調整とかする時間がなかったりとかでダメになった。というのが事実。
- 質問
- 開城工業地帯・金剛山観光などの南北交流プロジェクトは今後どうするつもりか?
- 回答
- 大きな議論の対象になっている。即刻中止すべきという主張もあるが、与党はまだ決めかねている。政府の許可などはあるが、あくまで民間企業が行っているプロジェクトであり、民主主義・市場経済の国家で、政府がそう簡単にやめろとは言えない。いろいろな事を総合的に考慮しながら決定されるのではないか。
- 質問
- 地域共同体に関する質問。ヨーロッパにおいてはキリスト教という共通するファクタがあり、また構成する国の政治機構も似ている。それに対して宗教も政治の機構も違うアジアで東アジア協力体は難しいのではないか。という意見がある。それに対してどう考えているか?
- 回答
-
ヨーロッパの事にはあまり詳しくないが、指摘の通りだと思う。ヨーロッパはカトリックか新教かは別にしてもキリスト教という共通点はある。ただ、ヨーロッパの歴史をみても、様々な戦争があり、第一次・第二次世界大戦という悲惨な戦争も経験した。感情的な部分や歴史的な軋轢もあるが、なんとかやっている。
東アジアはより難しいかもしれない。共通する宗教も無いし歴史的背景も(ヨーロッパとは?)違うかもしれない。国のサイズも違う。ただ、より難しくはあるが、出来ないとは考えていない。EASなど、まだ赤ん坊のようなものだが、生まれた。それを大事に育て上げればヨーロッパほどではないが、何とか出来る。それに協調の枠組みを作ることでお互い自重するという面もある。
確かに難しくはあるが不可能だとは考えていない。それに向けて努力すべきではないかと思う。
- 質問
- 東アジア共同体を構築するにあたって、国と国の体制の違いをどのように克服すべきと考えているか?
- 回答
-
EUの拡大では、かつて共産主義・社会主義で、体制が変わってからあまり経っていない国も入りつつあり、共通善(?)を拡大するため努力している。より難しいのは確かだが、努力する必要がある。
枠組みは皆にとってプラスになると思う。東アジアの国々がギャングアップして他の地域に対抗するといった狭い考えではダメで、世界からも認められないと思う。「開かれた地域主義」という方向で枠組みを作って、知恵を出し合ってやれば、不便な点もあるが、みんなのためになるし、地域の安定にも寄与するのではないかと思う。例えば、日本のメディアでは中国の軍事費への懸念があるが、二国間で解決するのは難しい。しかし、枠組みがあって、ガイドラインがあって皆が守らなければ……という話になれば皆のためになると思う。
- 質問
- 国連安保理で制裁決議案が議論されていて、国連憲章第7章の41条で留めるか、42条の軍事行動も含めるかが議論されている。韓国の政府の意見と、国民の間の意見・風潮はどうか?
- 回答
-
制裁決議案では大体「acting on the chapter 7 of the united nation charter」というような形で憲章7章を丸ごと引用し、経済制裁も軍事的な制裁も包括する。しかし、だからといってそのまま軍事行動が出来るわけではない。軍事行動を起こす前にはまた決議が必要(イラクの場合もそうだった)。だが、7章を丸ごと含むのは軍事的行動をimplyするので誰もが不安になる。イランの場合では「第7章41条に基づいて」という文言が入った。
日本とアメリカは第7章を丸ごと引用すべきという意見だと思う。韓国政府の立場については、まだ本国から方針が来てはいないし、敏感な問題なので個人的な意見も差し控えたい。
韓国の国民の間の意見は分かれている。大体の韓国人の心情は「やっぱり戦争は嫌」という意見ではないかと思う。直接被害を受けるのは韓国人であり、「まだ軍事的制裁を考えるのは早く、戦争は回避すべき」と考えてる人が多いのではないか。逆に日本の国民の間の風潮はどのようなものか?
- それに対する質問者の回答
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42条に基づいて軍事的制裁を行うということになっても、集団的自衛権を政府解釈では認めておらず、行使できないという制約があるので、何か対岸の火事という雰囲気がある。もちろん戦後処理という形で自衛隊をイラクのような形で送ることはあると思うが、韓国に比べると、やはり自らのこととして捉えていないところがある。
経済制裁としては、万景峰号の入港禁止がミサイル実験をきっかけに実施されているので、それの延長として捉えて41条の方が比較的受け入れやすいのではないか。仮に42条を受け入れるということになっても、日本人にはその必要性が理解できず、どっちでも良いという人が多いのではないか。
- 質問
- 靖国問題に対して批判を受けるのはA級戦犯が祭られているのが原因だと思っているが、もし分祀した場合には首相参拝に対する韓国の方の反応はどう変わるか?
- 回答
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分祀は「御霊をコピーして別のところでも祭る(オリジナルは残る)」というような意味なので、「合祀解除」という言葉を使ってる。で、A級戦犯を「分祀」してもそれだけではダメ。遊就館に現れているような靖国の歴史観と、そこにA級戦犯が祭られていること、両方を問題にしている。だから、「A級戦犯を分祀してくれ」とは言わず「靖国に行かないでください」と言っている。そして、どうやって解決するかは日本国民の問題ということでお任せしている。
靖国神社に「分祀」出来ない理由を聞いてみた事がある。「祭られた御霊は一体になっていて、これをほぐすことは出来ない」「教理(教義?)上、一旦祭られたら分祀ということはない」「だから合祀された韓国人も分祀できない」。これは教理の解釈だと思う。しかし、教理の解釈は時代によって変わる。キリスト教をみても、昔は女性は牧師になれなかったが、今はメソジストでは女性も牧師になれる。教理の解釈は時代によって変わるが、キリスト教そのものは残る。時代が変わったら教理の解釈も変えれば良いではないか。と言ったら、「これは根幹に関わる問題なので、変えることはできない」とのこと。
- 質問
- 南北統一について、東西ドイツの統合では今でも結構東西の格差が開いているように、統合にも色々と問題はあるだろうけど、韓国はどこまで積極的に統合したいと考えているのか?
- 回答
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韓国人はみな統一を望んでいる。同じ民族という面もあるが、元々一つの国だったから、統一を望むのは自然。ただ、これは究極的な目標であり目指しているが、急いでいるわけではない。抱擁政策もそういうこと。統一を諦めたわけではなく、まずは平和共存を目指し、時期がきたら統一。このことは北に「南に吸収される」という被害意識を与えず、安心感を与える。
ドイツの例をみたが、統一には準備と忍耐が必要だとわかっている。北朝鮮を国際社会のまともな一員にすることは統一に寄与する。いきなり統一するよりもその方がずっとまし。準備をし、出来る時期が来たら統一すると考えている。統一について「どうでもよい」とか「困る」とは思っていない。
おもしろかったでしょ。<br>というかえろえろです。
いやぁ、面白かったです。<br>植芝理一は相変わらずいいですね。