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日々の流転


2006-12-13 [長年日記]

λ. 著作権の価値評価と相続税

小熊さんのところで著作権は無体財産権として相続税がかかるということを知る。考えてみれば当たり前だけど、これまで考えたことが無かった。国税庁の通達の「著作権の評価」の部分を読むと、「複利年金現価率」とか難しい言葉を使っているけど、将来の印税収入の割引現在価値みたいな感じで評価されるようだ。「年平均印税収入の額×0.5×評価倍率」の0.5倍という数字がどこから来ているのか謎だけど。

それから、その形算式に権利の存続期間が全く入っていないという話ですが、「相続税は資産すなわち経済的価値への課税であり、権利への課税ではないから」ということではないでしょうか。経済的価値の評価であれば、権利の存続期間ではなく「著作物に関し精通している者の意見等を基として推算したその印税収入期間」を基準にするのは適切でしょう。もちろん、推算した印税収入期間を超えても権利の存続期間であれば収入を生じる可能性はありますが、この「可能性」は価値評価するのが難しく、そのため相続税として正当化するのもまた難しいのではないかと思います。

λ. 『硫黄島からの手紙』

『硫黄島からの手紙』を観てきた。平日の昼間だからガラガラだと思っていたが、混んでるとまでは言えないにしても、結構人が入っていた。内容は、涙無しには見れないというほど没入することは出来なかったが、心を打つものはあった。ただ、ある程度の前提知識を持っていないと、タイムスケジュールが分かりにくいのではないかと思った。

Tags: 映画
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
ψ 小熊善之 (2006-12-15 11:41)

そうか! 「著作物に関し精通している者の意見等を基として推算したその印税収入期間」を存続期間にしちゃえばいいんだ!(おい)

ψ タナカコウイチロウ (2006-12-15 20:12)

硫黄島とOR<br>映画とは直接関係有りませんが、硫黄島の戦いを数理的に分析したものが有ります。<br>佐藤 著、自然の数理と社会の数理 1、日本評論社(ISBN 4-535-6030104)<br>(第10話 硫黄島の激戦)<br>に載っています。<br>ざっと見ですが、ランチェスターの法則による戦力分析の様です。<br>それでは。

ψ さかい (2006-12-16 16:40)

>小熊さん<br>それ案外良いかもしれませんよ (笑<br>さらに相続者をその推算のプロセスに巻き込むなどすれば、存続期間を印税収入が見込める期間に限定するインセンティブが働きますし。<br><br>>タナカさん<br>また面白そうな本の紹介ありがとうございます。<br>ISBNが間違っているみたいですが、http://www.amazon.co.jp/gp/product/4535603014/ ですね。<br>ランチェスターの法則は「数理モデルB」という授業でやったはずなのに、もう完全に忘れてしまってました(^^;