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日々の流転


2008-08-22 [長年日記]

λ. The principle of deferred measurement

QMLで量子テレポーテーションで、Bmeasの代わりに観測を行わないBnmeasを使っている理由について、「『U内部のifでdecoherenceは起こるのでプログラム的には変わらないから』ということのよう」と書いたが、実際には観測はいくらでも先延ばし可能なようだ。

QML の Jonathan Grattage の博士論文 QML: A functional quantum programming language に、Quantum Computation and Quantum Information (Cambridge Series on Information and the Natural Sciences)(Michael A. Nielsen/Isaac L. Chuang)*1からの引用があったので、孫引きしてみる。

Measurements can always be moved from an intermediate stage of a quantum circuit to the end of the circuit; if the measurement results are used at any stage of the circuit then the classically controlled operations can be replaced by conditional quantum operations.
Tags: quantum
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ψ たけを (2008-08-24 12:10)

原理的には先延ばし可能だと思うけど、工学的には先に観測する価値あるよね。たぶん。<br>でないと、AliceとBobがいくら離れていようが、テレポーテーションとか使わずにAliceからBobまでそのまま状態を伝送しちゃえばいいじゃん、という話にw

ψ たけを (2008-08-24 12:16)

ごめん、↑と全く同じこと、その博士論文の、引用箇所のすぐ下に書いてあった。<br>"However, having a quantum communication channel between Alice and Bob negates the need for the quantum teleportation protocol entirely; Alice could simply transmit her qubit through the channel."<br>文章ちゃんと読め、って最近学習したばかりなのに…w

ψ さかい (2008-08-25 21:34)

おお、本当だ。<br>ということは、結局「プログラム的には同じだけど、量子テレポーテーションの問題意識からすると違う」という理解で良かったんですね。<br># と、こっちにも書いておく(^^;