2006-07-20 [長年日記]
λ. The Knaster-Tarski Theorem, Veronika Vaneková
タルスキの不動点定理の短くて分かり易い解説。
「A set operator is finitary iff it is chain-continuous」という部分が分からなかった。
(追記) finitary と set-continuity
set operator のこの finitary(有限特性) という性質の定義は class operator の set-continuous という性質の定義に似ている。
- set oprator τ: 2X → 2X が finitary なのは、τ(A) = ∪{τ(B) | B⊆A, B finite} を満たすとき。
- class operator τ が set-continuous なのは、τ(A) = ∪{τ(B) | B⊆A, B set} を満たすとき。
(追記) 最大不動点と余帰納的定義
ちなみに、このテキストでは帰納的な定義と最小不動点しか扱っていないが、双対を考えることにより、余帰納的な定義と最大不動点について同様のことが言える。Uを完備束、τ: U→U を単調な関数として、
- Ind(τ) = lfp(τ) = inf {A | A∈U, τ(A)≦A} = sup {τi(⊥) | i∈Ord}
- Coind(τ) = gfp(τ) = sup {A | A∈U, A≦τ(A)} = inf {τi(T) | i∈Ord}
こんにちは。<br>2^X 上の包含関係では union が sup になることと、集合族の union はおのおのの有限部分集合全体の union に等しいことに留意すれば良さそうです。<br>もし勘違いしてなければ、後で日記の方にきちんとした証明を書きます。もしも途中で爆発したらごめんなさい。
どうも、こんにちは。<br><br>少し考えたのですが、このテキストが何かしら間違っている気がします。<br>ここではchainの条件として全順序ということしか要求していないので、空集合もchainになっていて、τがchain-continuousなら τ(⊥) = τ(sup φ) = sup {τ(x) | x∈φ} = sup φ = ⊥ です。一方、finitaryの条件はそうでない関数も許してしまうので、「finitary ⇒ chain-continuous」は言えないはず。<br># 単に空集合を排除するようchianの定義を変えればいいのかなぁ……<br><br>> 集合族の union はおのおのの有限部分集合全体の union に等しいことに留意すれば良さそうです。<br><br>ありがとうございます。<br>考えてみます。
昼間はいいかげんなこと書いてしまいしいた。申し訳けございませんでした。超限帰納法が必要だったようです。証明は<br><br>http://evariste.jp/kagami/diary/0000/200607.html#20060721-1<br><br>の方に記載しました。おそらく大丈夫だとは思うのですが、とんでもないミスをすることがあるので、もし間違えがあった場合ご容赦下さい。
おお、ありがとうございます。<br><br>(3)の ∪_{Y∈C} F(Y) = F(∪_{Y∈C} Y) は chain C が空集合の時だけは<br>* ∪_{Y∈φ} F(Y) = φ<br>* F(∪_{Y∈φ} Y) = F(φ) = {φ}<br>となってしまって成り立たないと思いますが、それ以外は問題ないと思います。<br><br>私は finitary⇒chain-continuous の証明では「C non-empty chain ∧ X⊆sup C ∧ X finite ⇒ ∃Y∈C. X⊆Y」までは考えていたのですが、それを(3)のような形にして使うことが出来てませんでした。それから、chain-continuous⇒finitary の方でも、一応は整列してchainを作るところまでは考えたのですが、そこから先が出来てませんでした。<br>結局、(3) というか「有限部分集合全体を表す集合」を導入できなかったのが敗因っぽいです。<br>くーやーしー
林晋著『ゲーデルの謎を解く』(岩波書店)の最後の方に出てくる「タルスキ不動点」が載っているタルスキの著書をお教え下さい。また上掲書の最後の方の、テレビの中のテレビの中のテレビの中の・・・テレビの中の、フラクタルやカオスについて述べた本もお教え下さい。
>「タルスキ不動点」が載っているタルスキの著書<br>私は現物を読んでませんが、これでは?<br>Tarski, A. "A Lattice-Theoretical Fixpoint Theorem and Its Applications." Pacific J. Math. 5, 285-309, 1955.
この機会に、林晋『ゲーデルの謎を解く』(岩波書店)中の、タルスキ不動点、フラクタル、カオス関連の疑問を全て(1.から7.まで)述べさせて頂きます。どなたかお教え下さい。出来る限り単行本の著者名と題名と出版社名と出版年とをお教え下さい。<br>なお、林晋氏にならって、テレビ及びテレビ・カメラをビデオ及びビデオ・カメラと表記しておきます:<br>1.自分を映すビデオの不動点がフラクタルの親戚になる 事(104〜108ページ)を証明した文献はありま<br> すか。<br>2.ビデオ・カメラでは実際にはフラクタルは作れず、CG で作るしかない事(109ページ)を証明した文献は ありますか。<br>3.ビデオの不動点とビデオ内のフラクタルがタルスキ不 動点である事(109ページ)を証明した文献はあり ますか。<br>4.タルスキ不動点の棲む空間を拡張するとラムダ計算系<br> の空間になる事(109〜110ページ)を証明した 文献はありますか。<br>5.ラムダ計算系が対角線論法の悪魔に感染しており、そ の悪魔がフラクタルである事(110ページ)を証明 した文献はありますか。<br>6.ビデオの不動点を画面いっぱいに拡大してビデオ・カメ ラを傾けたりビデオ・カメラの軸と画面の軸の向きをず らしたりすると、カオスの一種が映じる事(110〜<br> 111ページ)を証明した文献はありますか。<br>7.ビデオにカオスを映じさせておき、ビデオ・カメラを<br> 上下逆さにしても、カオス映像に大した変化は現れな<br> い事(111ページ)を証明した文献はありますか。
前回と全く無関係な事を書きますが、皆さん、超限順序数も超限基数もありません。市川秀志著『カントールの対角線論法』、『カントールの区間縮小法』(パレード社刊、発売元遊星社か星雲社、2006年、2007年)をお読み下さい。ただ市川氏にも間違いがありますが。<br>(A≡¬Aなるパラドックスは対角線論法を含めて、全て偽です。非命題ではありません。)
どなたか transfinites を前提としないタルスキ不動点定理の証明をご紹介下さい。このウェブ・サイトに載っている証明は transfinites が前提になっているのでしょう?
なぜ、「この機会に」にと思ったのか知りませんが、たけをさんも私も林先生のその本は読んでいないし、これらのことの専門家でもないので、そんなことは一々知りません。<br>著者の林先生にでも聞いてみてはどうでしょうか。<br><br>> 4.タルスキ不動点の棲む空間を拡張するとラムダ計算系の空間になる事(109〜110ページ)を証明した文献はありますか。<br><br>通常の領域理論の教科書にはまず間違いなく書いてあるでしょう。<br><br>> 5.ラムダ計算系が対角線論法の悪魔に感染しており、その悪魔がフラクタルである事(110ページ)を証明した文献はありますか。<br><br>ラムダ計算と対角線論法の関係については、たとえば「自己言及の論理と計算」 http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~hassei/selfref2006.pdf などは分かりやすいでしょう。<br>フラクタルとの関係は知りませんが。<br><br>> 前回と全く無関係な事を書きますが<br><br>全く無関係であるのなら、何故この場に書くのでしょうか?<br><br>> どなたか transfinites を前提としないタルスキ不動点定理の証明をご紹介下さい。このウェブ・サイトに載っている証明は transfinites が前提になっているのでしょう?<br><br>「transfinites を前提としない」が何を意味しているのか良く分かりませんが、「lfp(τ) = inf {A | A∈U, τ(A)≦A}」の部分を示すには、もとより超限帰納法は不要です。<br>この講義資料でも使ってません。
お答え頂き本当に有難う御座います。<br>林晋先生は「忙しいのでお教えしません。もう私に連絡しないで下さい。」としかお答え下さらないのです。タルスキ不動点とフラクタルとカオスの関係を調べるには今後どうすべきでしょうか。カオスがフラクタルに等しく、現実には存在しないことを証明したいのですが。フラクタルの不存在証明は、市川秀志著『カントールの区間縮小法』をお読み下さい。
1月21日のコメントへの付言:<br>対角線論法の否定<br>その一. 0→0.1→0.2→・・・→0.9→0.01→<br>0.02→・・・→0.09→0.11→・・・→0.99→<br>0.001→0.002→・・・→0.999→・・・<br>と言う対応表の対角線上の数+1の小数は表中にある。<br>(表の第一行に対して対角線上の数は表中にある。<br>表の第二行に対して対角線上の数は表中にある。<br>表の第三行に対して対角線上の数は表中にある。<br>・・・<br>以下、無限に続く。)<br>その二. y=2^x のグラフは(ω、ω)=(アレフ0、<br>アレフ0)を通る。よって、<br> 2^aleph0=aleph0.<br>その三. 2^aleph0 は、二項定理及び、∞-k=∞及び<br>ωが存在すればω^ω^ω^・・・^ω=m*ω=ω+nとなる事(証明略。しかし順序数の濃度の定義とカントールのaleph0算法の証明によっても明らかでは?)より、<br> 2^aleph0=aleph0.<br>(但し、市川秀志著『カントールの対角線論法』の指摘により、実無限は形容矛盾なので実在しないので、その二とその三はωを使わないものに修正するか破棄するかする要があるでしょう。)
kimkoさん。自説を敷衍したいのであれば、この日記のコメント欄などではなく、ご自分のWebサイトなどで行われてはいかがでしょうか?<br>私は先日「全く無関係であるのなら、何故この場に書くのでしょうか?」と書きましたが、これ以上ここに無関係なことを書かれるようならば、コメントの削除とアクセス制限を行います。
申し訳御座いません。<br>この「日記」の一番上のThe Knaster−Tarski Theoremをクリックすると、最初の小見出しにTransfinite Ordinalsとありますので、タルスキ不動点の概念にtransfinitesが不可欠なのかな、と考えたのです。
皆さんのご議論を理解出来る様になるには、どんな基礎文献を読めば宜しいのでしょうか。
>ラムダ計算と対角線論法の関係については、<br>>たとえば「自己言及の論理と計算」 http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~hassei/selfref2006.pdf <br>>などは分かりやすいでしょう。<br><br>上記の論文で、長谷川真人さんも書かれてますが<br>もう20年以上前にSoto-AndradeとVarelaが書いた<br>論文にタルスキ不動点とフラクタルの関係が出てた筈。<br>林晋氏の本の元ネタもこれかと思いますよ。<br><br>あと、ビデオカメラのネタは、有名なホフスタッターの<br>「ゲーデル・エッシャー・バッハ」第15章と第16章の間の<br>”パイプ愛好家の教訓的思索”ですね。<br>2ページにわたって写真が出てます。
余談ですが、市川秀志氏はYahoo掲示板ではトンデモな人として知られてます。野矢茂樹の「無限論の教室」のあとがきに出てくる産科医は市川秀志氏のことらしいです。それにしても、市川氏のシンパっているんですね。
通りすがりさん、ありがとうございます。<br><br>Soto-AndradeとVarelaの論文は「『自己言及の論理と計算』他と同様の話だけなら読まなくてもいいか」と思って読んでいなかったのですが、そんな話も載っていたのですね。<br>フラクタルの話はabstractの「Secondly, we investigate the Theorem's converse, and we are led to the conjecture that any structure with the fixed point property is a retract of a higher reflexive domain, from which this property is inherited.」という部分の具体例になるのでしょうか。興味深いです。<br><br>> 余談ですが、市川秀志氏はYahoo掲示板ではトンデモな人として知られてます。<br><br>Amazonのなか見!検索で著書を見て、トンデモなのは知っていたのですが、有名な人だったんですね。<br># ちなみに、著書の中身にはみんなで爆笑してました。
私は市川秀志氏の「シンパ」などではありません。<br>市川秀志氏の、「対角線論法は非命題である。」とか、「ZFCは非命題を含む理論である。」とか云う議論を封じました。即ち、「対角線論法は偽命題である。」、「ZFCは偽命題を含む理論である。」と、氏を諭しました。(市川氏は反論できておられません。)
さかい様、お手数ですが、もう一度だけ、お願い致しまして宜しゅう御座いますでしょうか。kimko を kimko379 に変えて頂けますでしょうか。<br>以下は、投稿内容です。:<br>市川秀志氏のZFC 批判は論旨が成っていないことが私にも分かりました。申し訳御座いませんでした。<br>しかし、市川氏の実無限小批判、従ってフラクタル批判、従って(市川氏のではありませんが)タルスキ不動点批判とカオス批判は成り立つと考えます。実無限小が存在し得ないことは、コーシー列からも1/∞=0故に、また、対角線論法批判とCard {自然数}=Card{偶数}などからω=ω/2、よって逆数があり得るとすると1/ω=2/ω、よって1/ω=0故に矛盾することから分かります。