2008-03-29 [長年日記]
λ. 論理プログラミングに思う
Kowalskiの講演をまた聞き逃す - ヒビルテ (2008-03-24)で「あろはさんなどはよく論理プログラムをDISってるけどw、論理プログラミングにも面白い話はまだまだ沢山あるように思う」と半分冗談で書いたら、ホワット・ア・ワンダフル・ワールド Prolog の思い出 で反応が。
もちろん論理プログラミングや関数プログラミングという枠組みでも,まだまだ面白い研究はできると思います.
ちなみに、私の書いた「面白い話」というのは、例えば(もはや古典的かもしれないけど)帰納論理プログラミングを用いたデータマイニングや、発想推論を用いた仮説の生成や、確率論理プログラミングを用いた確率モデリングといったものの応用の話で、それぞれの応用分野でそれなりに面白い結果が出ています*1。
これらは「論理による問題の記述」と「論理的な推論による問題解決」という論理プログラミングのアプローチの、まさに本流をいくものでしょう。
しかし,もうそういう狭いパラダイムの区別や慣習自体が古いんじゃないかなぁと.まだ黎明期には,他の研究分野との区別のための意味があったとはいえ,「論理」プログラミングや「関数」プログラミングという,歴史に由来する名前自体が重荷や偏見の原因になりつつあると思います.そろそろ,そういう過去にとらわれず,分野に分かれた研究成果を統合し,より高いレベルの知的プログラミングのための枠組みが必要なのではないかと思います.
うーん。「古い」と言われると、反発したくなるぞ(笑
論理プログラミングのような枠組みの中で考えるのは、そういった後ろ向きな理由だけでなく、単にそれが問題解決のための優れたアプローチだからというのが大きいのではないかと思います。 先に挙げたような例でも、論理という限られた枠組みでの形式化だからこそ上手く行っているわけで、より一般的な枠組みで考えることでより優れた問題解決のアプローチを実現することが出来るかといえば、そうとは限らないでしょうし。
統合されたより一般的な枠組みの意義は否定しないけど、そういった枠組みに基づいた問題解決のアプローチが、論理プログラミングのアプローチよりも優れたものになるまでは、論理プログラミングという枠組みの中で考えることは決して古くなどない、と私は思います。
*1 あろはさんも知っているとは思いますが。
お疲れ様です。今度、この手の研究会等があれば紹介します。キラーアプリを探すのはなかなか難しいですが、この手の研究者が少ないのもあり、今のうちに色々と学んでおきたいところです。
> お疲れ様です。今度、この手の研究会等があれば紹介します。<br><br>ありがとうございます。<br>logic-ml他で存在は知っていたんですが……今回は不覚でした。<br>それと、kinjoblogでのパネルの簡単なまとめは助かりました。<br><br>> キラーアプリを探すのはなかなか難しいですが、この手の研究者が少ないのもあり、今のうちに色々と学んでおきたいところです。<br><br>そうですね。<br>私はどちらかというと単なるミーハーなのですが、何か面白いことが出来ないかとはいつも思っています(^^;