2007-01-31 [長年日記]
λ. 今日も発表練習
15:00から始めて、終わったのは19:30過ぎ。本番では持ち時間30分(発表20分、質疑応答10分)なので、4人分で2時間ちょいくらいで終わると思っていたのになぁ。
それと、配布資料も作らんとなぁ……。
λ. Haskellでパーサを書く時に面倒な点
先日のPTQ実装のパーサをいじって、名詞の性や動詞の変化を扱うようにしようとしていたのだけど、Haskellでこれを実現するのはちと面倒くさいという事に気付く。Prologみたいに論理変数と単一化があれば、何が入力で何が出力かを決めることなく、素性が一致するという制約だけを書けるのになぁ。もちろん、使っているパーサーコンビネータを拡張して論理変数と単一化を実現すれば良いだけの話なのだが、それも大げさすぎる気がする。大体、PTQの場合は名詞の性と動詞の変化くらいにしか使うところはないわけで。
それはそうと、文法フォーマリズムで単一化文法が主流になっている理由の一端が理解できたする。
λ. 「女性は産む機械、装置」柳沢厚労相が大失言
なんかえらい騒ぎになっているが、「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」というのが女性差別発言という感覚が良くわからない。そもそも、「生産要素投入が増えないのであれば、生産性を上げなきゃ生産量は増えない」というごく当たり前の事実を少子化問題に適用し、比喩を用いて説明しただけなんだよね?
例えば、我々は人間や生物も一種のオートマトン(=機械)として抽象化して物事を考えることがある。これは人間性を無視したことなんだろうか? そんなことはない。ある面に着目して物事を抽象化・単純化することは、元のものにあった他の全ての側面を切り捨てることであり、そりゃ人間性だとかは切り捨てられる。けど、それは対象となる議論にとって本質的でないから注目しないだけであり、その他の側面が存在しないなんて誰も考えちゃいない。そんなのはあえて説明するまでも無い、当たり前の前提だ。この発言に対する過剰な反応は、私には抽象的に物事を考えること自体を否定しているように感じられて、ちょっと薄ら寒いものを感じる。
柳沢厚労相の発言は不用意だったとは思うが、辞任しなくてはならないような問題とはとても思えない。しかし、安倍内閣は阿呆らしいスキャンダルが多いね……
(2/3追記) 発言要旨
どういう文脈での発言かイマイチよくわかってなかったのだけど、YouTubeにあがっていた スーパーモーニング 2007/02/02 で1月27日の講演での発言要旨が紹介されていたので以下に引用する。
では、人口の状況はどうか。平成17年の国勢調査を受けて、18年に年金の人口推計をやるわけです。(中略) 特に、2030年に例えば30歳になる人を考えると、今、7、8歳になってなきゃいけない。生まれちゃってるんですよ、もう。あとは「産む機械」って言っちゃなんだけど、装置の数が決まっちゃったことになると、機械って言っちゃ申し訳ないんだけど、機械って言ってごめんなさいね。あとは産む役目の人が、一人頭でがんばってもらうしかない。2030年はもう勝負は決まっているとよく役人に言われる。
これを読む限りでは、単に「2030年時点の出産可能な年齢の人数は既に決まってしまっていて増えようがないのだから、少子化を解決するにはあとは一人あたりの出産数を増やすしかない」という事実を述べているだけに思えます(「機械」は数が既に決まっていて増やせないことの喩え)。
λ. 秋葉原のPC-Successに異変、31日15時に突如閉店
以前に一度だけ通販で購入したことがあったけど、評判悪かったんだねぇ。全然知らなかった。あと、「仕入先に対する月末の支払いができなかったらしい。企業同士の取引って『月末締めの*ヶ月後払い』みたいのが多いから、店舗じゃなくて通販で買うんなら月初に振り込めってことかな」というコメントは参考にしようと思った。
この件については,切り捨てた部分が<br><br>> それは対象となる議論にとって本質的でないから<br><br>「本質的ではない」ことはない,と考えられているからでは<br>ないだろうか.と思うんですがどうでしょう.<br>つまり言い替えれば,少子化問題を対象とした議論に於いて<br>女性を機械とする発言は,本質を捉えていない抽象化で<br>あって不適切,ということなんじゃないのかなあ.
まぁこうなることくらい想像できてしかるべきではなかろうか,という気はする.
それが安倍内閣クオリティ…… orz
抽象化それ事態は自明なマッピングでまあ悪くないと思うんですが,その次のモデルの検証と問題への適用に関する考察がごっそり抜けてるんじゃないですかね.抽象化したまでは良かったけどsoundではなかった,というか.てわけで<br><br>> 私には抽象的に物事を考えること自体を否定している<br><br>ツメの甘い厚労相も,言葉尻だけ捉えて避難している人も,どっちも否定以前に分かっちゃあいねぇ,ってところなのではないかな,と.
重さのレベルが違うし、片やフィクションなんですけど…<br>『ザ・ホワイトハウス』って米国の政治ドラマで、厚生大臣相当(i.e. FDA長官)で医学博士の肩書きを持つ人が、「ヘロインに中毒性はない」と発言して「FDA長官が麻薬を認めた」とマスコミが騒ぎ立て、スキャンダルに…というエピソードを扱った回がありました。(おぼろげにしか憶えてないので、嘘を言ってるかもですが)<br>医学的には真実だし、FDA長官も「医者として嘘を言うわけにいかない」と、大統領から訂正と謝罪を求められても固辞するんだけど、結局世論や与野党の政治家から圧力がかかって…みたいな話だったかな。最終的にどうなったか忘れちゃいましたけど。<br><br>どこの国でも、民主主義は同じ問題を抱えてるってことです。「科学的に正しいこと」は「政治的に正しいこと」とイコールではないってことですかね。
ごめん、↑のヘロインは多分マリファナか何か、僕の間違いです。ヘロインて中毒性ありまくりだよねw
いや、少し前までは日本でも「女は子供を産んで育てる装置」という認識があったんですよ。(だから教育なんか必要ないし、政治に参加するなんてもってのほかという考え方。)そういう考え方は、多くの国ではまだまだ残っているし、日本でもそういう考えは完全に抜けてないと思います。<br><br>だから、文脈を考えればいっていること自体は間違っていないとしても、昔のいやな記憶を持っている人たちや、今まさに差別を受けている人たちからすれば、「冗談じゃない!」ってなるということでしょうね。
そういった人たちが「冗談じゃない!」と思ってしまうのは、無理からぬことだと思いますし、それを責めるつもりはないです。<br><br>だからこそ、それ以外の人は「女性=産む機械」という図式を一人歩きさせるのではなく、発言の文脈や意図を明らかにすることに努め、冷静に対応するべきだったと思います。<br>ましてや、感情的な反発を煽ったり、それを利用しようとすることは論外でしょう。<br>特に、野党は補正予算案審議をボイコットするのではなく、国会の場で発言を糾すべきでした。それをしなかったのことは「(少なくとも地方選前には)発言の文脈や意図を詳らかにしたくなかったのではないか」と勘ぐりたくもなります……
機械が如何こうより、この程度の内容で<br>この程度しか喋れないのは議員として頭悪くね?っと思って<br><br>一人、ばかーばかーって勝手に思ってますた。
菅代表代行も失言「東京は子供の生産性低い」<br>http://news.livedoor.com/article/detail/3021447/<br><br>民主党はあれだけ柳沢厚労相の辞任を要求してたのだから、自ら率先して範を示してくれるのではないかと期待。