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日々の流転


2006-08-20 [長年日記]

λ. 『現代数理論理学入門』

を読んだ。「現代」と言いつつ、もはや30年前の本になってしまってるが、非常に良い本。述語論理の完全性, モデル理論, 帰納関数とチューリング機械, 算術体系の不完全性, 選択公理の独立性, 連続体仮説の独立性と強制法といったトピックについて、よくまとまっている。約100ページ。

個人的な収穫は、モデル理論でのコンパクト性定理の使いでと、あと強制法のイメージがわかったこと。

参考

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ψ かがみ (2006-08-24 12:20)

こんにちは。丁度 Shoenfield の Mathematical Logic を購入したのですが、ほとんど同じ章立てです。Shoenfield 本の出版が 1967年ですので、同様な時代背景ということでしょうか。Shoenfield 本の頁数が 330ページ強で、その中でゲーデルの L や強制法に関してまで述べられているのも驚きなのですが、100ページ程の本に同様な内容が記載されているのは驚異的だと思います。ぜひ一度手に取ってみたいと思います。

ψ さかい (2006-08-27 13:43)

実は、訳者解説で田中尚夫先生が「本書はその目的から当然のように大部分がお話しであって,きちんとした数学の展開ではない(もちろんところによってはわずかの修正で数学の議論になりうるものもある)」と書いていたりします。<br>「お話し」と割り切って本質だけに集中した結果が、このページ数なのではないかと私は思ってます。<br><br># ちなみに、「約100ページ」と書いたのは本文だけで、田中先生が70ページくらい訳注と訳者解説を書いてます。