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日々の流転


2001-10-16 Youth come but once in a life-time. [長年日記]

λ. 「あらかじめ予定されている明日」

「小説すばる」の8月号に載ってた「あらかじめ予定されている明日」は「ケムロたち算盤人そろばんびとは、与えられた計算問題を置いて、仮想世界を構築している。彼らの計算に用いられるのはもっぱら算盤だった。膨大な仕事量にうんざりしたケムロが立てた計画は−−」というのが粗筋で割と面白いんだけど、数学的にも計算機科学的にもあまり掘り下げられてなくて、そこが残念だった。

λ. そもそもケムロが如何に非凡な数学的才能を持ってたって、自分達の計算が「仮想世界のシミュレーション」という意味を持ってると気づくのは不可能なのだ。それはCPUを流れる電子だけを観察してコンピュータの実行しているプログラムを知ろうとするのに等しい。ここには何かフォローが欲しかった。

λ. 膨大な仕事量にうんざりしたケムロは電子計算機があればと考えるが、彼の世界には電子計算機はもとより電子自体が存在しない。そこで彼は仮想世界内の電子計算機に計算させる事を思い付く……って、何で電子計算機に拘るかな。電子が無くったって、算盤があるくらいなら、「パスカルの計算機」のような原理の計算機は十分実現可能なはずなのに。

λ. そして、ケムロの仮想世界への干渉が露見した後、「君はわざと間違った数字を計算に混入させた。その結果、われわれ書き人が創ったのとは別の計算問題−−世界が創り出されてしまったのだ。もはや計算を続ける続けないに拘わらず、君の創った世界は存在し続けるのだ」という台詞があるが、これは「計算問題を設定しない限りそれに対する答えは存在しない」と主張しているようなもので、とてもイビツな解釈だと思う。この部分は様相論理に基づく可能世界論について書かれるべきだった。

λ. ところで、ルーディ・ラッカーなら同じネタをどう書くだろうか? あるいはロジャー・ペンローズならば…

λ. アイアンマウンテン報告

「ジョナサン・スウィフトが『つつましい提案』で赤ん坊を食べようと主張したのを」ってのは、こないだ読んだ「貧民救済私案」の事ですな。こうやって繋がってたりするとなんだか楽しい。

λ. 朝鮮語

今日から第2科(?)で、だんだん大変になってきた。韓国にはキムチ冷蔵庫というのがあるらしい...

λ. 情報通信セキュリティ論

各種の暗号について。あー、離散対数問題ってそーいう問題だったのね。こんな面白い問題だとは思っても見なかった。

λ. データベース概論

今のRDBMSってのは集合論に基礎を置いているので、集合論を理解せずにRDBMSを理解するのは難しいと感じた。逆に集合論を理解していれば理解するのは容易だし、数学的な基礎がちゃんとしてるって事で安心して使える。

λ. 今日は、SQLのCREATE, INSERT, DELETE, UPDATEを習ったので、前々回の授業で習ったSELECTと併せて、データベースに対する基本的な操作は全て出来るようになったわけだ。

λ. プログラミングに必要なスキル

僕は次の4つに分けたいな。僕も偉そうな事いえる立場じゃないけど。

  • 問題を定式化する能力
  • ロジックを組み立てる能力
  • 実際にプログラムを書く能力
  • プログラムを読みメンテナンスする能力

λ. …そういや、マネジメントに必要なスキルって何だろう。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
ψ NS1 (2001-10-17 23:19)

酒井氏はどのようにしてプログラムを拾得したのですか?