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日々の流転


2011-07-08 [長年日記]

λ. 『抽象によるソフトウェア設計』がついに出版されます

先日、レビュワーを募集していた "Software Abstractions"の翻訳本ですが、ついに来週『抽象によるソフトウェア設計』として出版されることになりました。 2009年のFLTVで告知してから二年も経ってしまいましたが、ついに出版されることになったかと思うと非常に感慨深いです。これは訳者の贔屓目ですが、それだけの時間に見合う素晴らしい仕上がりの本になっていると思います。

抽象によるソフトウェア設計−Alloyではじめる形式手法−(Daniel Jackson/中島 震/今井 健男/酒井 政裕/遠藤 侑介/片岡 欣夫)

この本はAlloyという言語・ツールを用いた形式手法の教科書です。

Alloyというのは、モデル発見器と呼ばれているツールの一つで、条件を与えるとその条件を満たす具体例を探してくれます。モデルというのは、条件が連立方程式であればその解だし、条件が数独のルールと問題だったらその解とかです。Alloyについてはこの日記でもAlloyタグのついた記事で何度か触れてきました。

この日記ではAlloyはパズルを解いたりといった目的にしか使っていなかったけれど、その本来の使い方は、ソフトウェアの設計を書いてみて、変なところや見落としているケースがないかを確かめたりという使い方であり、この本ではそういった手法について書かれています。 この本を読めば、正しい抽象化がソフトウェアにとって死活的に重要であること、そして正しい抽象化を追求するためにAlloyを用いる方法を学べるでしょう。

(続きはきっと後で書く)

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Tags: Alloy