2003-03-22 [長年日記]
λ. 家族で箱根に遊びにいく。寒いと思ったら、箱根は雪が降ってましたよ。
λ. ジャッカル
λ. 『16歳のセアラが挑んだ世界最強の暗号』
眠れなかったので読んでいたら読み終わってしまう。情報通信セキュリティ論を履修する前にこの本を読んでいたらなぁと思うと少し残念。
http://www.cayley-purser.ieはnot foundのようなので、CPアルゴリズムの詳細はhttp://cryptome.org/flannery-cp.htmあたりを見ると良いかも。
ところで、この本のp.239で『数学をつくった人びと(Men of Mathematics)』の一節として引用されている、「才能はあるが自信がなく、つねにあともう少し知識を蓄えてから、あともう少し学んでからと、自力で事に当たることを先先延ばしする若者」へのヤコービの態度には励まされた。池上さんにも「先行研究をあまり気にするな」と言われたばかりだし、もっと頑張らなくては……
ヤコービはみずからの最新の発見を講義し、新しいテーマが立ち現れるさまを目の当たりにさせることで研究科の学生を訓練する、大学における最初の常勤講師だったと思われる。彼は、若者を凍てつく水にほおり込み、自分自身の力で泳ぎを身につけるなり溺れ死ぬなりさせるべきだ、という信念の持ち主だった。学生の多くは自分のテーマに関する他人の業績をすべてマスターするまで、独力でなにごとかに乗り出すことを先延しにしている。その結果、いまや自立的な仕事のコツを習得する者はほとんどいないというていたらくだ。ヤコービはそうしたぐずぐずした学問の仕方を敵視した。才能はあるが自信がなく、つねにあともう少し知識を蓄えてから、あともう少し学んでからと、自力で事に当たることを先先延ばしする若者を鼓舞するために、つぎのようなたとえ話をして聞かせた。「きみの父上が世界中の女性を知ってからでないと結婚しないという考え方に凝り固まっていたら、父上は絶対にひとりの女性と結婚することはなかっただろうし、きみがいまここにいることもなかっただろう」