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日々の流転


2002-07-12 [長年日記]

λ. 「プロジェクト総合講座A」の竹中平蔵の講演のビデオを見た。

僕が気になった点は以下の通り。

  • 「日本の産業は80年代から既に産業競争力を失っていた」
    (cf: Harvardのマイケル・ポーター(Michael E. Porter)と 一ツ橋大学の竹内弘高らが行った実証研究)
  • 「現在の財政赤字はどう考えてもサステイナブルではない」
    (30兆円はGDPの約6%。こんな国は他に無い。 EUに加盟するにはGDPの3%以下に抑えなくてはならない。)
  • 「国債は将来世代からの借金」

λ. 自然言語論

意味解析実習レポート提出。

λ. 線形の理論

SAなのに最後の方の話はついていけてなかったり。うーむ。

λ. 今日の向井研

6/24に紹介した Subtyping and Inheritance for Categorical Datatypes に書かれていることを簡単に紹介しようと思ったのだけど、時間がなくて(co)algebraでデータ型が定義出来るという話だけしか出来なかった。

でも、割と興味を持ってもらえたようで、良い感じだった。

Tags: 向井研

λ. 原始再帰であるということ、末尾再帰に変換可能ということは、等価?

「f x = f (x + 1)」みたいなアホな関数って、末尾再帰的であって原始再帰的でないような関数の例になったりしないかな。それとも、これは単に定数⊥が値の原始再帰的関数とみなされるのかなぁ。

λ. seq.rb

kjanaさんのSequenceクラス面白そう。何かに使えないかなぁ。

Tags: ruby
本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
ψ Ts (2002-07-15 00:22)

こんにちは 補足されちゃってるTsです<br><br>>(30兆円はGDPの約6%。こんな国は他に無い。 EUに加盟するにはGDPの3%以下に抑えなくてはならない。) <br><br>30兆枠というのは新規発行部分でして、今までの借金返済する分に<br>ついては債券刷って返しています。したがって実質30兆など無意味<br>で2007年まで毎年70兆程度を返済を8割がた債券でします。<br>そのあとは2008年問題ですね。<br><br>また、今週になって国税・地方税の対予算での不足分が出ましたが、<br>合計2.2兆です。30兆枠の7%くらいがこれだけで崩れます。<br>予算枠を甘めに組むことで、敢えて税収不足を演出しています。<br>予算枠をこえた分については強制的な新規債券発行が法的に<br>許されているからです。<br>政策過程論から財政を見るのも面白いと思います。<br>政治学科出身者より。<br><br>>「国債は将来世代からの借金」 <br><br>将来世代がいればの話です。<br>合理的な経済主体なら子供は作りません。<br>だって−700万からの人生スタートですから。<br><br>あえて竹中さんに批判的になるのなら、経済学は経済学のフレーム<br>だけでみると経済学以上の何かにはなれないということです。<br>あたりまえなんですけどね、専門化が進むとそういう弊害もあります。<br><br>ちょいと気になりましたので書き込みしました。長々失礼いたしました

ψ さかい (2002-07-16 00:51)

> こんにちは 補足されちゃってるTsです<br><br>どうもこんにちは。<br>Tsさんの日記はいつも興味深く読ませてもらっています。<br>それにしても、Tsさんにこの日記を読まれていたとはビックリです。<br><br># ひょっとして誤解されてしまったかもしれないので、<br># 念のために書いておきますが、<br># 箇条書きは()内も含めて竹中さんの主張です。<br><br>> 30兆枠というのは新規発行部分でして、今までの借金返済する分に<br>> ついては債券刷って返しています。したがって実質30兆など無意味<br>> で2007年まで毎年70兆程度を返済を8割がた債券でします。<br>> そのあとは2008年問題ですね。<br><br>全くその通りですね。<br><br>> また、今週になって国税・地方税の対予算での不足分が出ましたが、<br>> 合計2.2兆です。30兆枠の7%くらいがこれだけで崩れます。<br>> 予算枠を甘めに組むことで、敢えて税収不足を演出しています。<br>> 予算枠をこえた分については強制的な新規債券発行が法的に<br>> 許されているからです。<br><br>そんなカラクリになっていたとは全然知りませんでした。<br>とても興味深いです。<br><br>> 政策過程論から財政を見るのも面白いと思います。<br>> 政治学科出身者より。<br><br>確かに、経済学的な視点だけからはそういう見方は出てきませんね。<br>う〜ん。SFCにもせっかく「政策過程論」という授業があるので、<br>取ってみようかなぁ。<br><br>> >「国債は将来世代からの借金」 <br>> > 将来世代がいればの話です。<br>> 合理的な経済主体なら子供は作りません。<br>> だって−700万からの人生スタートですから。<br><br>なるほど。確かにそうかも。<br># もっとも、本当に「合理的」な経済主体なら、<br># 子供の人生よりは、自分の老後の予想などから、<br># 子供を作るかどうか判断するような気もしますが。(^^;;<br><br>僕が気になったのは、<br>リチャードー・クーが「良い財政赤字悪い財政赤字」他で展開している<br>「国債の負担は、世代間所得移転ではなく、同世代内の所得移転だ」<br>という主張と、竹中平蔵のこの発言はどちらが正しいのかなという点でした。<br><br>個人的には、マクロ・バランスの観点からは<br>クーの主張が正しそうだという印象を持っていますが、<br>世代内の所得移転に関してミクロの側からの分析はどうなのか<br>というのは知らないので、この辺りも気になっています。<br><br>> ちょいと気になりましたので書き込みしました。長々失礼いたしました<br><br>いえいえ。<br>また何かありましたら御遠慮無くどうぞ。

ψ nobsun (2002-07-17 10:25)

停止する関数に限定した議論のつもりですが、「原始再帰」や「末尾再帰」の厳密な定義の中に停止するという条件がはいっているのかどうか知らないでほざいております。おぃ>私。^^;

ψ さかい (2002-07-18 02:09)

ああ、そうか。<br>原始帰納的関数(primitive recursive function)は<br>帰納関数(recursive function)の部分クラスなので、<br>停止性は満たさなくてはいけなかったのでした。<br><br>それに対して「末尾再帰」の方は呼び出しの形式の問題であって、<br>停止性云々とは関係ないんじゃないかという印象を持っています。<br>実は、僕もちゃんとした定義は知らないんですけどね。(^^;;<br><br>それはさておき、「原始帰納関数なら末尾再帰に変換可能」というのは、<br>どうやら正しそう。<br><br>原始帰納的関数f: N×X→Y の特徴は以下の等式を満たす<br>a: X→Y, h: N×Y→Y が存在する事です。<br><br> f(0, x) = a(x)<br> f(n+1, x) = h(n, f(n, x))<br><br>なので、以下のように変形して0の側から計算することで、<br>末尾再帰に変換することが出来ますよね。<br><br> f(n, x) = g(0, n, a(x))<br> g(n, n, r) = r<br> g(n, c, r) = g(n, c+1, h(c, r))<br><br>どうせなので、a,hから末尾再帰版の原始帰納的関数を作る関数を<br>Haskellで定義してみました。<br><br> type Nat = Int -- XXX<br> <br> -- Factorizer for primitive recursive function<br> pr :: (x->y) -> (Nat->y->y) -> (Nat->x->y)<br> pr a h = \n x -><br> let<br> g c r = if n == c then r<br> else g (c+1) (h c r)<br> in<br> g 0 (a x)<br> <br> fact :: Nat->()->Nat<br> fact = pr (\_ -> 1) (\n m -> (n+1)*m)<br><br> main = putStr (show (fact 5 ()))<br><br>でも、Haskellだと、末尾再帰化してもあまり嬉しくないんでしたっけ……

ψ さかい (2002-07-18 02:24)

あぅ。<br><br>> なので、以下のように変形して0の側から計算することで、<br>> 末尾再帰に変換することが出来ますよね。<br>> <br>> f(n, x) = g(0, n, a(x))<br><br>f(n, x) = g(n, 0, a(x))<br>の間違いです。<br><br>> g(n, n, r) = r<br>> g(n, c, r) = g(n, c+1, h(c, r))