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日々の流転


2010-02-03 [長年日記]

λ. 『下流志向 ― 学ばない子どもたち 働かない若者たち』 by 内田 樹

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)(内田 樹) 読了。

最初に出てくる「若い人たちにとっては、世界そのものが意味の穴だらけ」になっていて、「『意味のわからないもの』が彼ら世界で意味を失ってしまった」というのは表現が面白いなと思った。

「教育からの逃避」に関して、家庭内労働が消滅してしまったため、現代の子供達は社会関係に入っていくときに、労働からではなく消費から入ることになり、消費主体として教育サービスを値踏みし、経済合理性故に教育から逃避している、という指摘は興味深かった。 また、「労働からの逃避」についても同じく経済合理性から説明していて、なるほどと思った。

ただ、これらは仮説・解釈としては面白いけど、「本当かな?」というのが、正直なところ。 と思うのは、(著者は社会学者でないせいか)そもそも検証に興味を持っていないように思えるのと、どうも経済・ビジネス・リスクといったものについてあまりに素朴な見方が元になっていて、その辺りが疑わしく思えてしまうため。

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