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日々の流転


2009-02-08 [長年日記]

λ. 第四十九回圏論勉強会

今日は圏論勉強会だった(写真)。 今回は、かがみさん、nucさん、Mさんにお会いすることが出来た。

前回で、S. Abramsky "Temperley-Lieb algebra: From knot theory to logic and computation via quantum mechanics" が終わったので今回から新しいテキスト。 新しいテキストは Peter Selinger による絵算のサーベイ論文“A survey of graphical languages for monoidal categories”で、今回は圏とモノイダル圏の定義とそれらに対応する図形言語(p.10 の Graphical language の前まで)。

p.57 の Table 9: Summary of monoidal notions and their graphical languages が楽しいな。

圏を導入するところで「For a gentler introduction, with more details and examples, see e.g. Mac Lane[23].」(強調酒井)と書いてあって、「そうか、あれはgentleだったのかー」などと思う。 「やさしい Haskell 入門 (バージョン98)」(A Gentle Introduction to Haskell, Version 98)が全然やさしくないと感じるのと同じような感覚だろうか。

ボックスの左上の黒い四角は誤植か何かかと思っていたら、後から「Remark 2.2. We have equipped wires with a left-to-right arrow, and boxes with a marking in the upper left corner. These markings are of no use at the moment, but will become important as we extend the language in the following sections.」と書いてあった。

数式や射を表す式の中に現れる変数について、「シンボル」「任意の値を表すプレイスホルダー」「任意の項を表すプレイスホルダー」の三つの見方があると明示的に説明していたのは良かったな。

(後で書く)

飲み会で、限定継続(delimited continuation)の話が出たので、 call/ccによるshift/resetの表現 - ヒビルテ(2003-05-03) で書いたような例で説明してみる。

帰りに、かがみさんに Snake lemma というものを教えてもらった。 それから、有理数から実数の埋め込みは位相空間の圏で全射だそうだ(c.f. Rng で「monoかつepiであって同型射でないもの」)。 昔[mixi] 圏論勉強会 | 質問とかしてみるトピで話していた、epi but not surjective な例を少し思い出す。

Tags: 圏論