コンピュータ関連のジャーナリストとして、バグを含んだソフトウエアが流通していることに疑問を抱き、深く切り込んでいる。全体的に、著者のいう「バグ」とはその製品の本質的機能を麻痺させるような致命的な欠陥のことをさしているように見受けられる。こういう製品が出回っていることは確かに憂慮すべきことで、メーカーの責任を追及するのはわかる。
ただ、疑問点がいくつかある。
まず前書きで「第3章ではバグがないソフトウエアを作ることが可能なことを論証する」としているので、大いに期待をもって読んだが、裏切られた。要はとにかく採算を度外視してきちんとやればいい、という乱暴な主張である。ソフトウエアの開発は、ハイフンが一つ違っただけで障害を起こすような人間的なミスまで完全に除去するためにどうしたらよいか、現場は苦悩を続けている。この章から得られるものは何もない。
また、バグがあっても売れるからいいのだ、というインタビューの回答は極論過ぎないか。そんなに会社の経営者というのは極端で脳天気だろうか。著者のバイアスがかかった聞き取り方をしていないだろうか。
開発側から言わせれば机上の空論の部分が多々あるように思える。それでも、消費者側からすればそういう気持ちにはなるだろう、というのは理解できるので★3つ。

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いつまでバグを買わされるのか: 平気で欠陥商品を売る業界の内幕 単行本 – 2000/9/1
欠陥商品すらもビジネスチャンスとしてもうけまくる、ソフトウエア業界の横暴を見破り、だまされないためのノウハウ。
- 本の長さ346ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2000/9/1
- ISBN-104478372969
- ISBN-13978-4478372968
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
バグは、まぎれもなく欠陥だ! ばかにするな、パソコンソフト。品質を軽視し消費者を騙す、パソコンソフト業界の傲慢を、著名な業界ジャーナリストが厳しく追及する。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2000/9/1)
- 発売日 : 2000/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 346ページ
- ISBN-10 : 4478372969
- ISBN-13 : 978-4478372968
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,220,098位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,058位情報・コンピュータ産業
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2001年3月11日に日本でレビュー済み
日常生活にコンピュータが深く関係している今日、誰もがソフトウェアの消費者である。 この本は以下のことを説明してくれる。 私たちソフトウェアの消費者が商品について、「泣き寝入り」することはない。 それは、突然の「不正な処理が行われました」というメッセージに対してはもちろん、 インストール時に表示される「ライセンス事項」という一方的な契約を そのまま受け入れる必要はない。
この本はただのメーカーバッシングではない。 リリース直前のソフトウェア技術者が徹夜の連続という状態では、製品にバグが残るのも無理はない。 ソフトウェアの製造を「プロセス」で管理して品質を高めることが必要だとも説く。 アメリカの自動車産業が日本車の「品質」によって衰退した記述が実感をもって伝わってくる。
話の進め方が少し極端ではあるが、消費者も生産者にも、得るところの多い一冊である。
この本はただのメーカーバッシングではない。 リリース直前のソフトウェア技術者が徹夜の連続という状態では、製品にバグが残るのも無理はない。 ソフトウェアの製造を「プロセス」で管理して品質を高めることが必要だとも説く。 アメリカの自動車産業が日本車の「品質」によって衰退した記述が実感をもって伝わってくる。
話の進め方が少し極端ではあるが、消費者も生産者にも、得るところの多い一冊である。
2007年2月28日に日本でレビュー済み
製品にバグがあって当たり前、の世界はおそらくソフトウェア業界だけであろう。
食品にバグ(虫、菌含む)が含まれていたらどうだろうか?極端だが、そういう考えがあってもいいのではないか?
著者の主張どおりにはならないかもしれないが、もう少し我々が出来ることは無いのか?と現場を見るたびに思ってしまう。
日本の復活の鍵も、実はこういうことなのかもしれない。
食品にバグ(虫、菌含む)が含まれていたらどうだろうか?極端だが、そういう考えがあってもいいのではないか?
著者の主張どおりにはならないかもしれないが、もう少し我々が出来ることは無いのか?と現場を見るたびに思ってしまう。
日本の復活の鍵も、実はこういうことなのかもしれない。