この本にはペルーのフジモリ前大統領がテロリストどもと闘いそれに勝利した経験が述べられています。それが面白い。フジモリ大統領が登場する以前のペルーのどうしようもない惨状もよく理解できます。ペルーの貧困撲滅は難しい問題で誰もやりたがらず代々先送りにされてきました。フジモリ氏が初めて手を付けて解決の糸口を掴んだのです。
文章は文脈に混乱がなくイメージが明瞭で、すらすら読めてしまいます。それもそのはず訳者の岸田秀は編集部から渡された下訳を原文と照らし合わせながらチェックし、さらにフジモリ氏に直接会い質問を繰り返し、共同作業で完成させたものだという。
この調子ならフジモリ氏の回想録も期待が持てるというものです。

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アルベルト・フジモリ、テロと闘う (中公新書ラクレ 35) 新書 – 2002/2/1
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2002/2/1
- ISBN-104121500350
- ISBN-13978-4121500359
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2002/2/1)
- 発売日 : 2002/2/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 237ページ
- ISBN-10 : 4121500350
- ISBN-13 : 978-4121500359
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,110,617位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 34位中南米・カナダ・オセアニアのエリアスタディ
- - 867位中公新書ラクレ
- - 1,047位政治史・比較政治
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2011年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨年ペルーを旅行した時、現地で出会った人は、アルベルトフジモリは今までの中で一番良い大統領であったと語っていた。考えてみれば、こうして旅行できること自体、20年前のテロの荒れ狂っていた時代からは想像もつかないことである。一方で、その独裁的な手法等への批判が後を絶たず、これほど毀誉褒貶の激しい大統領もいない。私たちは、平和ボケしてしまった日本の価値基準だけで判断するのではなく、まず、1990年代の、南米ペルーの現実や政治風土を理解することが大事ではないだろうか。そしてこの本は、実際に一市民としてテロを体験し、大統領としてテロと戦ったアルベルトフジモリ氏の眼を通して書かれたドキュメンタリーである。
内容は決して堅苦しいものではなく、わかりやすくて読みやすい。どのようにテロと対峙し、撲滅していったか、また「テロには屈しない」だけではなく、「なぜテロが起こるのか」という現代の政治家にややもすれば軽視されがちな課題にも真正面から取り組んできたことなどが語られている。
私にとっての教訓は、物事を成し遂げる中で最も肝要なこと、それはトップに立つリーダーの存在であり、そのリーダーの姿勢いかんで最終的にすべてが決定される、ということである。日本の改革が一向に進展しないのも、結局はトップに立つ政治家の、ぶれることのない真摯な決意がないからであると強く感じた。フジモリ氏のペルーへの愛情、それゆえにこそ、強烈なまでの決意でテロに望むその姿が印象的であった。
内容は決して堅苦しいものではなく、わかりやすくて読みやすい。どのようにテロと対峙し、撲滅していったか、また「テロには屈しない」だけではなく、「なぜテロが起こるのか」という現代の政治家にややもすれば軽視されがちな課題にも真正面から取り組んできたことなどが語られている。
私にとっての教訓は、物事を成し遂げる中で最も肝要なこと、それはトップに立つリーダーの存在であり、そのリーダーの姿勢いかんで最終的にすべてが決定される、ということである。日本の改革が一向に進展しないのも、結局はトップに立つ政治家の、ぶれることのない真摯な決意がないからであると強く感じた。フジモリ氏のペルーへの愛情、それゆえにこそ、強烈なまでの決意でテロに望むその姿が印象的であった。
2002年4月9日に日本でレビュー済み
テロリズムというとてつもなく深刻な問題に、大統領自身がヘリコプターで現場を訪れ、状況把握と原因分析しようとするその精神と行動力。理論的に基本戦略を組み上げる冷静な判断力。具体的、現実的な対策を直ちに実施するその迅速さと実行力。「テロリストを殺せば、その子供がまたテロリストになる。」といって、無期懲役を最高刑としたことには、フジモリ大統領の人間への深い愛が読み取れる。テロリズムとの闘争の記録として、構成力がやや弱いのはいたしかたないとして、フジモリ大統領がどんな人間であるかを理解する上で大変参考になる1冊。