ソフトウェア工学分野のトップ会議であるICSE2017の全論文を一日で紹介しあうICSE2017勉強会に参加し、Webアプリのイベント発生順に起因する不具合の検査の偽陽性をフィルタするツールに関する論文 RClassify: Classifying Race Conditions in Web Applications via Deterministic Replay を紹介しました。
ICSE勉強会は、その年のICSEで発表された論文(テクニカル,フルペーパ)の全てを1論文を3分程度でダイジェスト紹介し、最新の研究動向を効果的に調査する機会を共有しようというのを狙いとして、2011年より毎年開催されているもので、自分は2013年より毎年参加発表してます。 今年のICSE勉強会は、Research Track の論文68件と、Journal-First Paper の論文28件のうち16件の紹介が行われ、東京会場、名古屋会場、大阪会場、福岡会場の合計で156名の参加があったそうです。
紹介した論文は、JavaScript においては処理はアトミックに実行されるので普通の意味でのデータ競合(data race)は存在しないけれど、イベントの発生順によって意図しない結果になる不具合はありえる。それに対して、静的解析を行う既存ツールは偽陽性が非常に多いので、動的解析を組み合わせることで偽陽性をフィルタリングするという内容です。
ICSE2017勉強会
https://sites.google.com/site/sereadings/icse2017-reading
L. Zhang and C. Wang, "RClassify: Classifying race conditions in web applications via deterministic replay," in Proceedings of the 39th International Conference on Software Engineering, ser. ICSE '17. Piscataway, NJ, USA: IEEE Press, 2017, pp. 278-288.
http://dx.doi.org/10.1109/icse.2017.33
http://www-bcf.usc.edu/~wang626/pubDOC/ZhangW17.pdf
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