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ナニワ金融道ゼニの魔力: 世の中のカラクリがわかるマルクスの経済学 (KODANSHA SOPHIA BOOKS 楽 10-2) 単行本 – 1999/8/1
労働者はゼニを稼ぐために働いている。しかし、会社だって労働者がいなければ利益を上げられない。ここに資本主義社会の本質がある。人間の人格をも変えてしまうゼニの仕組みは非情だが面白い!!
今の経済状況を見ていて、だれでも素朴な疑問を持つと思う。官僚とか政治家、経済学者なんかが、こんなに山ほど税金を使って、なんで日本の経済ひとつ建て直せないのやろう。じつは、こうなることは、マルクスの経済学が、最初から指摘してきたことやった。日本の政治家や官僚が、資本主義のこの断末魔的な症状に対してなにもできないのは、マルクスを学んだことがないからや。
なにしろ、金持ちが喜ぶ経済理論なんぞ、庶民にはまったく関係ない。そういう面でも、マルクスの理論は、労働者ひとりひとりの毎日の生活を向上させるための武器となるのやから、実際に役に立つわ。ともあれ、命の次に大切なものはゼニだとしたら、このゼニの本質をよく知らなければあかんのや。マルクス経済学を知れば、ようわかるで。――「第1版の序文」より抜粋
●マルクスとは――カール・マルクス・ハインリヒ(Karl Marx Heinrich)。国際的共産主義の祖。1818年、ドイツ・トリールに生まれる。1848年に「共産党宣言」を発表、以後、「経済学批判」「資本論」などで画期的な経済学理論を打ち立て、労働者がいかに資本家によって搾取されているかを明らかにした。1883年没。著者・青木雄二は、青年時代に30回以上転職、ゼニの魔力と世の中の裏の仕組みを経験したことから、マルクスの唯物論哲学に共鳴、「資本論」を『ナニワ金融道』の創作に大いに反映させた。
- 本の長さ250ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1999/8/1
- ISBN-104062690837
- ISBN-13978-4062690836
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
マルクス経済学に関する画期的な入門書だ。同じ著者の手による消費者金融業者を描いたベストセラー漫画「ナニワ金融道」のストーリーを引用しながら,著者は「資本主義の破綻」を提示し,「現在の閉塞しつつある日本経済を救うのはマルクス経済学である」と主張する。恐らく著者の主張には賛否両論があるだろう。しかし本書がマルクス経済学を面白く,平易に解説していることは確かである。
著者は資本主義経済を「金持ちが喜ぶ経済理論で,庶民にはまったく関係がない」との視点を明確にした上で議論を展開する。そして「金持ちばかりが得する社会に満足していたらあかん」と語りかける。「なにを今さらマルクスや」と言う者に対しては,こうした発言をすること自体がマルクス経済学をきちんと勉強していない証拠であると喝破する。
その上で本書は,「なぜ人はゼニに服従するのか」「マルクスはどんな人間だったのか」「資本主義は何がダメなのか」「そもそもゼニを稼ぐとは何なのか」,そして「人間が真の主人公になる社会とは?」と,議論を展開する。別に本書をマルクス経済学入門としなくともいい。現代資本主義経済の問題点を考えるという面でも,疲れず気軽に読める本である。 (ブックレビュー社)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
-- ブックレビュー社
内容(「MARC」データベースより)
著者について
主な著書に『ナニワ金融道 なんでもゼニ儲けや!』『ナニワ金融道 だまされたら、アカン!』(以上、講談社)、『青木雄二のゼニと世直し』『ナニワの土性っ骨』(以上、大和書房)、『青木雄二のナニワ資本論』(朝日新聞社)、監修に『ナニワ金融道 カネと非情の法律講座』『ナニワ金融道 カネと非情のサバイバル講座』(以上、講談社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1999/8/1)
- 発売日 : 1999/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 250ページ
- ISBN-10 : 4062690837
- ISBN-13 : 978-4062690836
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,032,831位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,458位経済学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

1945年、京都府生まれ。岡山県の工業高校土木科を卒業後、神戸市の鉄道会社に入社。3年で退職し地元・岡山の米南町役場の職員になるが、数ヵ月で退 職。その足で大阪に出て、ビアホール、パチンコ店、キャバレーのボーイなど30種類以上の職を転々。その間暇を見つけては漫画を描き、出版社に投稿した。 「アフタヌーン」(講談社)で漫画賞を受賞したのをきっかけに、1990年、兄弟誌「モーニング」(同)で代表作「ナニワ金融道」を連載開始(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『青木雄二のナニワ錬金術―ダマされない、損しない、儲けたい! 』(ISBN-10:4198629587)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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本文にある搾取されるサラリーマンであっても、サラリーマンなりの良さやメリットも多分にあるため一概に言えない。
この資本主義社会でも、その稼ぎ分も働いていると言えないサラリーマンもいっぱいいるからね。
タイトル通りゼニ(金)儲けやそのカラクリがわかる本で参考になります。
マルクスの経済学とかとっつきにくいという方は
こういう本から興味持って入っていくと経済って面白いなぁって
知識増えていくんじゃないですかね。
私は経済に関して初学者であり、様々な書籍をあたったのですが内容が難しい上に面白くない。いきなり専門用語のオンパレードや数学の嵐ですから^^A
そこで友人からの勧めがありこの本を手にとって見ると、青木氏なりの考えと共にマルクス経済学を簡単に学べました^^v
今後は徐々に深く経済を勉強していきますが、経済の雰囲気や感覚を学べる上で非常に有効と考えます。
内容はマルクス主義を褒め称え、資本主義の悪口を言うだけのもので入門書にはなりません。
マルクスの資本論から一部のフレーズを抜粋し共感の出来ない例題を取り付けて「ぜんぶ資本主義のせいや!、このままでは搾取されるばっかりや!」と人を煽るだけです。
ずっと同じ内容が続き人を洗脳しようとしてくるので読見続けるのが困難です。20ページも読めばおおよそ言いたい事はわかります。
ナニワ金融道という名前は知っていましたが、いまだにアカ闘争をこじらせた困ったおじさんが書いているのだという事だけはわかりました。
長年の固定観念の殻から脱皮したような気分です。
堅苦しい書籍での味わえない独特の青木節が理解度を深めてくれます。もちろん、この本だけで十分じゃないですが、広く浅く知りうえではとても有用な内容だと思います。
さてこの本の前提となる共産党宣言には共産主義に実現のために次のことを書いている。
「1土地所有を収奪し、地代を国家の経費にあてる
2強度の累進税
3相続権の廃止
4すべても亡命者および反逆者の財産の没収
5国家資本によって経営され、排他的独占権をもつ一国立銀行と通じて信用を国家の手に集中する。
6運輸機関を国家の手に集中する。
7国有工場、生産用具の増加、共同の計画による土地の開墾と改良。
8万人にたいする平等の労働義務、産業軍の編成、とくに農業のためのそれ。
9農業と工業の経営の結合、都市と農村の対立の漸次的除去。
10すべての児童に対する公共無料教育、現在の形の児童の工場労働の廃止。教育と物資的生産との結合、その他」
それぞれ突っ込みどころが満載でなかなか面白い。順番に見ていこう。
1は土地所有権の否定だが、ドイツやイギリスではもともと所有権は王や諸侯が持っている。企業も国民も王と契約して借地権を得る。その収入が王家などの家政にあてられる。結局はそのイメージで国庫を捉えてるに過ぎない。100㎡の土地に80㎡ほどの家に住む都市の庶民もそのささやかな財産を取り上げられることには口をつむっている。そのことが明らかになれば全ての労働者は団結して国家資本に挑戦するのだ。
2累進課税は所得税や法人税に課されるが、稼げば稼ぐほど損をする。つまり税率が最低限の稼ぎがもっとも得ということだ。それが生活できない金額なら労働者は最低課税額を十分な額に引き上げるよう最大の資本家である国家資本に挑戦しなくてはならない。この時点で共産主義は全ての国民を敵に回すのだ。
3王侯は戦争よりも結婚によって領土つまり土地所有権を集中させ、そしてそれを子孫に伝える。まあ、それを共産主義の国家が横取りするというのが本音だろう。ただ、その副作用としてすべての国民こつこつと貯めた貯蓄も死んだ瞬間、共産主義の国家資本に取り上げられる。例えそれが親の口座にためた子供の貯金であってもだ。日々の糧を奪われる国民や労働者は共産主義国家資本を赦すはずがない。
4すべての亡命者および反逆者の財産の没収とあるが、あほではないか。ここまでで国民は財産を失っている。反乱を起こそうが起こすまいが結果は同じだ。ならば共産主義の国家資本に反乱を起こす方を選ぶのまともというものだ。
5国家資本の銀行に全ての信用、つまり通貨を集中させるというのは働いて得た給金を預金にするとそれが国家の与信原資となることを意味する。端的には中央銀行と商業銀行を一緒くたにした機関だ。もともと中央銀行とは英国で南海泡沫事件の債務処理のために作られたのが最初だ。共産党宣言の遥か前に話だ。さらに商業銀行は古い歴史がある。この二つを混ぜると無制限の信用供与が可能となる。一つの勘定の中に貸し手と借り手が混在するのだ。その権威は国家に由来するが実質的にその通貨は政府発行と同じとなる。国内で資金需給が相償うほどの金融大国なら国債の中央銀行引き受けで同じことが可能だ。しかしほとんどの国は対外債務がある。当時のドイツもロシアも同じというか強烈な赤字だ。瞬間的に通貨市場はナイアガラとなりインフレはジンバブエとなる。起こった国民と労働者が国立銀行と政府に進撃するのが目にみえるようだ。
6運輸機関の国営化は世界中で実施され、その後、民営化された。運輸機関とはここでは鉄道を意味する。生産物や原材料を運ぶだけでなく軍事力の展開にも欠かすことができない。特に反乱を弾圧するには重要だ。国家資本を守るために膨大な兵員を遠隔地の反乱に差し向けることができる。効率よく兵力を運用できるので大量の反乱分子でもすみやかに粛清できる。そんな鉄道も電力なり石炭なり重油なりが無ければ動かない。そのため発電や暖房に優先して燃料を回せば、夏なら停電、冬なら暖房の停止で国民は窮する。国家資本への不満は反乱の拡大となって現れる。
7計画経済の基本概念だが、さて何のために何を作るのか誰がどうやって分析するのか。実際のところ需要をつかむのは今の技術でも困難だ。そのために経営学、商学、マルクス経済学以外の経済学は研鑽を欠かさない。マルクス経済学では何の分析もない。計画があるだけだ。それを達成しても別に意味はない。当然だれもそんなものを達成しようとは思わないだろう。
8労働の義務はここでは平等となっているが質は全く問われない。製品の質もさることながら、単純労働と頭脳労働の差もない。ソ連では医者は大量に生産された。その名残で今も旧共産圏では医学部は普通の学部でしかない。単純なことで医者も兵士も労務者も同じ給料の労働者だからだ。高い技術と知識が必要でもそれは評価されない。勉強しないで済む愚者の楽園だ。もしかしたらここだけは歓迎する馬鹿がいるかもしれない。
9もともと欧州で都市に富が集中し農村は収奪の対象という構造があった。その解消を目指したものだが一つの解としてコルホーズとかが作られた。結果、低レベルの技術の小さな共産主義諸侯の国家が乱立しただけだった。もっとも低レベルでもそれぞれの共産主義諸侯は自分の理想を実現できたのだから共産主義は一歩前進して2歩後退したというところか。
10公共無料教育は国民の能力を底上げするのに有効だ。だが、その前に共産党宣言の時代のドイツの識字率は8割くらいというが、実際には自分の名前しか書けないものも読み書きができるとされる。しかもその大半は労働者や農民なので新聞や本を読めるとなると数分の一だろう。それを公費で改善するのは有効だ。もっともそのためには教育が収入を増やすという認識が親世帯に行き渡らなければならない。それは同時に国家資本による収奪を労働者と農民が自覚することを意味する。金をかけて共産主義に反対する勢力を育てるようなものだ。
あと、共産党宣言は児童労働に反対していない。長時間労働は成長に悪影響があるから否定するが、労働訓練や労働教育の一環としては肯定している。だがこれは労働力不足を解消するための便法でしかない。かつてのドイツは貧しかったのだから。
さて、共産党宣言はどうにもこうにも矛盾だらけだ。それでは資本論の肝である資本家の収奪というのはどうだろう。端的には資本家は本来、労働者のものである剰余を奪って肥え太るということだが、現実にはどうか。もし収奪が徹底しているなら資本家は損失を無限に労働者に押し付けることができるのでリスクフリーだ。だが、実際には不況となれば企業は倒産し王侯貴族ですら破産する。彼らはなぜ破たんするのか。単純である。市場が評価しなかったからだ。もともと剰余という考え方は物には固有の価値がありその取り分をめぐって資本家と労働者がつばぜり合いをしているというものだ。だが、物の価値は市場に諮らないと決まらない。定価が希望小売価格となったのは市場での評価の結果、ほとんどの商品は値引きされるからだ。ここで注意しなくてはならないのは、資本家は労働者とすでに労働契約を結んでいるということだ。つまり給与というコストは決まっている。これを支払わなければ資本家は債務不履行となる。これは近代法の話ではない。何百年も前の傭兵契約など様々に形で定着している。ちなみに傭兵に給料を支払わなかった王様は首と胴が泣き別れとなる。共産主義の社会では国家資本のトップが同じことになる。
それと、剰余を生み出すには実際には資本と機材と土地が必要でそのコストが資本家のものとなる。それに加えて利子や配当、修繕費なども発生する。そして人件費だ。実は材料費の割合は小さく。それ以外の要素が重なって価格を形成する。それが市場で妥当と評価されてはじめて剰余も決まる。資本主義では基本的に企業は利益が出ている。つまり市場はきちんと積み上げてだした価格を追認する傾向があるのだ。人件費もそうだ。だが、これは個々人の給与とは少し違う。生産性の向上は個々人の取り分を増やす。ここで給料をあげないとマルクスが言うように資本家が猫糞したということになる。だが生産性を揚げられるような優秀な労働者は引き止めなくてはならない。せっかく導入した新しい設備をより効率的に運用できるよう教育もしなくてはならない。結果、給料を上げなくてはならなくなる。上げなくても済むのは同程度の労働者、しかもかなり優秀な労働者があふれている場合だ。今の日本はこれに近い。個々人の能力は世界的にみればトップクラスだが国内の賃金相場が低すぎるため安く雇える。本書が追及するならこの点なのだが共産主義という愚かな宗教の教義に拘泥して本来の論点を見失っている。
実際のところ、この本の内容は自治労の労働組合が主宰する労働学校のテキストに書いてあることだ。だいたいの参加者は大いに睡眠不足を補ったものだ。この本を読んであの時、労働学校のテキストを読んで指さして爆笑したのを思い出す。面白いのは組合の幹部もゲラゲラわらっていたものだ。ちょうどソ連が滅亡して天安門事件が起きたころなので労使ともに共産主義とは単なる意味不明の経典でしかなくなっていた。
学生運動が盛んな時、高校の成績が良くて教師が進学を進めても親が反対することは珍しくなかった。お金がかかるというが実際にはアルバイトで賄える学費の大学は珍しくなかった。反対する理由は4年間収入が無いこと以上に大学で馬鹿な学問にかぶれて共産主義者になっては元も子もないためだ。赤軍派は連日、新聞やテレビで残虐行為を報道されていた。あの仲間に自分の子供がなっては一大事というのは当たりまえだろう。
その親から進学を反対される大学では、今となってはおかしなことに経済学部ではマルクス経済学などという珍妙なものが教えられそれが単位認定されていたのだ。当時も共産党宣言や資本論をテキストにしていたわけだが、今で言えば習近平語録や毛沢東語録を暗記するようなものだ。それが学問だと言われていたのだから恐れ入る。だが、当時はそれが最先端だと思われていた。なぜかといえば、社会の進歩というものが科学的に説明されていると誤解されていたからだ。社会はいずれ共産主義社会に進化する、だからその道筋とそのための技術を研究し学ぼうということだ。その副産物として多くの成果があった。だがそれは社会主義の視点で資本主義の欠点を既存の社会システムを改善することで修正するというものだ。結果、社会主義は中国で見られるように資本主義に吸収された。残ったのは共産党独裁だがこれは共産党宣言の教義が政府に排他性と求心力をもたらしたからだ。
つまるところ、この本は共産主義という墓の下に去って行った血まみれの道化師の死骸を掘り出して見世物にしているに過ぎない。