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哲学の最前線: ハーバードより愛をこめて (講談社現代新書 1406) 新書 – 1998/6/1
冨田 恭彦
(著)
たとえば相手を理解するとはどのようなことだろう?クワイン、デイビッドソン、サール、ローティら、現代最高の哲学者たちの主要な議論がみるみるわかるガイドブック。
根本的翻訳──生島は、コーヒーを少し飲んでから、話を始めた。「クワイン先生のこと、ご存じでしょう?」「ああ、もちろん。生島君は彼のところに足しげく通ってるんじゃなかった?」「ええ、足しげくというほどじゃないですけど、ときどき研究室におじゃましています」W・V・クワイン、1908年生れ。ハーバードで長く教鞭を執ったあと、名誉教授として、今も、哲学科のあるエマソン・ホールの2階に研究室を持っている。「朝倉さんの問題にアプローチするには、いろんなやり方が可能ですけど、クワイン先生の考えから入っていくのが、もしかしたらいいかもしれませんね。クワイン先生は多彩な活動をされた方ですが、今私の念頭にあるのは、根本的翻訳に関する彼の考えです」「ああ、そう言えば、君の論文の中にも確かそのことが出ていたね。でも、どんな話だったかな」「そうですね。それじゃ、そのあたりから始めましょうか」──本書より
根本的翻訳──生島は、コーヒーを少し飲んでから、話を始めた。「クワイン先生のこと、ご存じでしょう?」「ああ、もちろん。生島君は彼のところに足しげく通ってるんじゃなかった?」「ええ、足しげくというほどじゃないですけど、ときどき研究室におじゃましています」W・V・クワイン、1908年生れ。ハーバードで長く教鞭を執ったあと、名誉教授として、今も、哲学科のあるエマソン・ホールの2階に研究室を持っている。「朝倉さんの問題にアプローチするには、いろんなやり方が可能ですけど、クワイン先生の考えから入っていくのが、もしかしたらいいかもしれませんね。クワイン先生は多彩な活動をされた方ですが、今私の念頭にあるのは、根本的翻訳に関する彼の考えです」「ああ、そう言えば、君の論文の中にも確かそのことが出ていたね。でも、どんな話だったかな」「そうですね。それじゃ、そのあたりから始めましょうか」──本書より
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1998/6/1
- ISBN-104061494066
- ISBN-13978-4061494060
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商品の説明
著者について
1953年、香川県生まれ。1975年、京都大学文学部卒業。81年、同大学院文学研究科博士課程単位取得。現在、京都大学助教授。哲学専攻。著書は『ロック哲学の隠された論理』──勁草書房、『アメリカ言語哲学の視点』──世界思想社、『科学哲学者柏木達彦の多忙な夏』──ナカニシヤ出版──。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1998/6/1)
- 発売日 : 1998/6/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4061494066
- ISBN-13 : 978-4061494060
- Amazon 売れ筋ランキング: - 262,994位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2001年4月3日に日本でレビュー済み
「60年代以降のアメリカ哲学の入門書」と聞くと、小難しそうな本のように感じるけど、哲学書なんて初めて読んだ私にも易しく語りかけてくれる本でした。「根本的解釈」「観察の理論負荷性」「感覚与件論」などを、たとえ話を用いて分かりやすく解説しながら、「相手を理解する」「世界を理解する」とはどういうことなのか・・・という所まで導いてくれる。これから哲学を学ぶ初心者だけでなく、哲学に興味のない素人にも十分楽しめる本です。
2021年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きれいですが、臭いがします。
2011年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ途中までしか読んでないけれどこの本を読んで思い出したことがあるので書いてみる。
タイトルのカントの言葉である。モノ、物かも知らんが、モノとは何か? 知るとは何か?
この本に書かれていることは後者だろう。
もう一つ思い出したことがある。「色は物質の属性ではない」という命題だ。
誰が言ったか知らないが確かにその通りなのだ。
物質の色は、形さえもだが、光がなければ見えない。色は反射光の属性である。
もっと詳細に言うなら、通常人間が感知する色は太陽などの自然光が物質にあたって反射した
光の中で、特定の波長を持ったものだ。赤い光を当てると全てが赤っぽい物に見える。
しかも人間の視覚に色盲があれば赤緑が逆になる(らしい)。
色を感知するだけでもこれだけの前提条件が必要なのだ。
物事や言説の「意味」を「理解する」といったことを上記の「色感知モデル」で考えてみよう。
太陽光など入射光に相当するものは何か。反射光に相当するものは何か。
人間の視覚に相当するものは何か。
太陽光など「自然光」を当てた場合に特定の反射光を反射する「物質のあるメカニズム」に相当するものは
何か・・・そこまで追求すると私の手に余る。
しかし赤い光を照射するならモノは全て赤っぽく見えるという我々の経験則は重要だ。
と言っても、私が見ている赤色と他の人が見ている赤色が同じだとは限らないのだが。
タイトルのカントの言葉である。モノ、物かも知らんが、モノとは何か? 知るとは何か?
この本に書かれていることは後者だろう。
もう一つ思い出したことがある。「色は物質の属性ではない」という命題だ。
誰が言ったか知らないが確かにその通りなのだ。
物質の色は、形さえもだが、光がなければ見えない。色は反射光の属性である。
もっと詳細に言うなら、通常人間が感知する色は太陽などの自然光が物質にあたって反射した
光の中で、特定の波長を持ったものだ。赤い光を当てると全てが赤っぽい物に見える。
しかも人間の視覚に色盲があれば赤緑が逆になる(らしい)。
色を感知するだけでもこれだけの前提条件が必要なのだ。
物事や言説の「意味」を「理解する」といったことを上記の「色感知モデル」で考えてみよう。
太陽光など入射光に相当するものは何か。反射光に相当するものは何か。
人間の視覚に相当するものは何か。
太陽光など「自然光」を当てた場合に特定の反射光を反射する「物質のあるメカニズム」に相当するものは
何か・・・そこまで追求すると私の手に余る。
しかし赤い光を照射するならモノは全て赤っぽく見えるという我々の経験則は重要だ。
と言っても、私が見ている赤色と他の人が見ている赤色が同じだとは限らないのだが。
2005年3月17日に日本でレビュー済み
哲学に関心はあるけれども、難しそうでと敬遠している人、騙された
と思って、最初の一冊として読んでみてください。言葉はどのように
して対象を指示するのか、客観的な真理ってあるんだろうか、こういう
問題がわかりやすく論じられています。全編、会話形式で書かれているのでリラックスして読めます。しかもこれほど読みやすいのにレベル
を落としていないのがすごいと思います。わかりやすいがレベルも
低すぎという本も多くて、読んでも損するだけなのですが、この本は
わかりやすくて高レベルを維持しているので哲学の入門にふさわしい
のです。
と思って、最初の一冊として読んでみてください。言葉はどのように
して対象を指示するのか、客観的な真理ってあるんだろうか、こういう
問題がわかりやすく論じられています。全編、会話形式で書かれているのでリラックスして読めます。しかもこれほど読みやすいのにレベル
を落としていないのがすごいと思います。わかりやすいがレベルも
低すぎという本も多くて、読んでも損するだけなのですが、この本は
わかりやすくて高レベルを維持しているので哲学の入門にふさわしい
のです。
2014年1月28日に日本でレビュー済み
「哲学」が問題にしていることというのは、時代の変化、学問の変化に応じて変わってきたのだろうと思います。
どうやら近年は、「人間は(言語を使って)どのように世界を理解しているか」ということに焦点が当たっているようです。
(私は専門家ではないので、こういう評価が妥当か判定できません。ま
た、出版から15年経っている2014年に読んだので、これが「最前線」なのかも分かりません・・・)
本書は、アメリカにおける近年の哲学研究について、教授が同僚や学生たちに語っていく、というかたちをとっています。
といっても、ドラマ仕立てになっているわけでも、寓話が語られるわけでもなく、大学のカフェで、学者たちの議論を
たとえ話を交えたり、簡単な言い方に言い換えたりしながらたどっていく、というものです。そういう意味だと冗長かも。
厳密さよりは、わかりやすさを重視している、ともいえます。
各章のおわりには解説と、参考文献が付されていて、テーマに興味がわいた人がより深く勉強できるように工夫されています。
大学の一般教養講座なんかで哲学をやる人には便利なんじゃないでしょうか。
どうやら近年は、「人間は(言語を使って)どのように世界を理解しているか」ということに焦点が当たっているようです。
(私は専門家ではないので、こういう評価が妥当か判定できません。ま
た、出版から15年経っている2014年に読んだので、これが「最前線」なのかも分かりません・・・)
本書は、アメリカにおける近年の哲学研究について、教授が同僚や学生たちに語っていく、というかたちをとっています。
といっても、ドラマ仕立てになっているわけでも、寓話が語られるわけでもなく、大学のカフェで、学者たちの議論を
たとえ話を交えたり、簡単な言い方に言い換えたりしながらたどっていく、というものです。そういう意味だと冗長かも。
厳密さよりは、わかりやすさを重視している、ともいえます。
各章のおわりには解説と、参考文献が付されていて、テーマに興味がわいた人がより深く勉強できるように工夫されています。
大学の一般教養講座なんかで哲学をやる人には便利なんじゃないでしょうか。
2003年5月18日に日本でレビュー済み
フランス系の現代思想に比べるとアメリカの現代哲学って日本でマイナーだなあという感じがするので、それを簡単に紹介するというだけでもまあ価値あるものだと思う。比較してもしょうがないが、素人の印象としては、フランス系のはかっこいいけどようわからんのに対してアメリカのはかっこよくはないけど筋道立っているといったところ。大雑把に言って、問題の中心は主観と客観、あと言語についてなのだろう。で、デイヴィッドソンの反相対主義やハンソンの観察の理論負荷性、サールの記述主義(でいいのかな)、クワインのホーリズムなどの考えがわかり易く解説される。後半ローティの話になると、いつの間にかわれわれが採るべき態度みたいな話になってきて、少し「ん?」という気もするが。とにかく入'??書としてはまあよい部類に入ると思う。あ、でもこの小説形式をうっとうしく感じる人もいるかもしれない。しかしハーバードの談話室での哲学談義に参加するという知的疑似体験が味わえたりしないこともないです。