Qt 2.2 To Be Released Under the GPL
September 04th 2000, 23:59 EDT

6月1日にfreshmeatにEirik Engによる記事が現れた時から、QPLとGPLに関するライセンスの議論での私たちのスタンスについて多くのコメントを受け取った。その記事で書いたように、私たちはQPLをGPLと互換性のあるものにするためにいくらかの時間をつかって活発に作業している。

私たちがQPLを作った2年程前、私たちは成長しつつあるQtのプログラミング・コミュニティが非互換なバージョンのQtによって傷つけられる事を恐れていた。私たちはQtの開発に興味を持っているサードパーティに独自に開発する代わりに私たちと協力させるためのインフラを提供する資源が欠乏していると感じていた。これは公開CVSによって成し遂げられたのではなく、注意深いコードのレビューや、デザインについての集中的な議論や、コミュニティからの提案とリクエストのとても短いレスポンスによって成し遂げられた。それら無しには、コードベースの高い品質を保つ事は出来なかっただろう。今日、Trolltechはとても大きな会社で(ちょうど5倍の開発者がいる)、オーストラリアの第2開発部門も急速に成長している。だから、これはもう問題じゃない。

私たちがフリーのUnices(とGNU、知る限り、Unixではない)のグラフィカル・インターフェースをコントロールしたいと決して思っていない事を強く示したいと思う。その代わり、素晴らしいアプリケーションを書くための最善の技術的可能性を提供したい。K Desktop Enviroment (KDE)に感謝、フリーのアプリケーションの品質は、MS Windows上のアプリケーションの品質のレベルに最終的に到達し、さらには抜きさえした。

最近では、オープンソースのアプリケーションの幾つかのベンダはGPLへのコミットを増し、それは特有のオープンソース・ライセンス以上に好まれている。MozillaやStarofficeは2つの例である。もっともっと多くのケースで、新しく公開されるソフトウェアはGPLで配付される。

私たちがGPLには明瞭さの問題があると信じていて、FSFに改良された第3版のための仕事を速める事を強く勧めているが、その一方でこの標準化プロセスがフリーのUnicesの成功にとって非常に重要だと見ている。もし、多くのアプリケーションの基本ライブラリとKDEの土台であるQtが例外となるとしたら残念な事だったろう。

これらの考慮のもとで、素のGNU General Public Licenseを用いることは賢い事に見える。たとえ、私たちがGPLがライブラリを保護するとみなす事の強さと正当性に関する最近の議論にためらいを感じているにしてもね。幾つかのWebの特徴は、著者の一人(Eirik Eng)によるfreshmeatの記事を含む、この質問を引き起こした。

私たちは、James Ramseyの7月15日の記事を興味深く読ませてもらった。私たちは多くの点で合意しているように見えるかもしれない。そして、そのJamesがもたらしたGPLにおける「モジュール」の定義に関するポイントは興味深かった。

私たちは、この問題について、Richard Stallman(Free Software Foundationの総帥)とコンタクトを取りつづけている。そして、彼は親切にも助力と分析を提供してくれた。さらに、法律と法律の歴史の教授でFree Software Foundationの顧問弁護士のEben Moglen教授のコメントを送ってくれた。

Moglen教授は、「全体に、もしくは一部に、もしくはプログラムから派生された」作品について言っているGPLの第2 b)条項に注目した。もっときっちりとこの問題と(Ramsey氏の指摘したように)第3条項におけるソースコードの定義を見た後、GPLライブラリを使ったソースコードが非公開のソフトウェアを合法的に作れるという恐れは誇張されていると私たちは結論付けた。

もたらされたもう一つは、C++のヘッダーファイルでの関数の定義に関する注意だ。ヘッダーファイルで定義された多くの関数(インライン関数)がある。それらはバイナリのQtライブラリの一部ではないが、Qtを使うバイナリやライブラリにコンパイル時に取り込まれる。Qtを使う些細でないどんなアプリケーションにとっても、私たちのコードの一部がそのプログラムのバイナリ版に含まれる事は自明である。

GPLの精神においては、GPLのクラスライブラリをフリーでないソフトウェアの開発に使うことは出来ない事は明確で、これに法的拘束力を持たせる強い条項がある。私たちはコミュニティによるこの言葉を広げるための広範なサポートを見れて幸せだった。そして、コミュニティがこれをし続ける事を希望する。

要約すれば、本当にライブラリをフリーでないソフトウェアの開発に使われる事から保護すると確信している。これは私たちのGPLの解釈であり、Free Software Foundationを含むフリーソフトウェアのコミュニティのGPLの解釈である。フリーでないソフトウェアは、この点で、もちろん組織の内部で開発されたソフトウェアとフリーソフトウェアのライセンスでソースコードを入手できないユーザーのいるソフトウェアを含む。

私たちは、このようにして次のバージョンのQt 2.2をGNU General Public Licenseと追加でQPLと私たちの商業ライセンスの下でライセンスすると決定した。

QtはまだQPLでも提供されるので、開発者は彼らのニーズに最も合うオープンソースのライセンスを選ぶことが出来る。これは例えばアーティスティックライセンスを使う、存在するプログラムと将来のプログラムもまたQtを使う事が出来る事を保証する。

最期に、この過程の間、私たちをサポートしてくれ続けていたコミュニティのみんなに感謝したい。今、もしあなたが私たちを許してくれるなら、私たちは、Qtをより良くする事に戻れる。


Eirik Eng (eirik.eng@trolltech.com) は トロールテックの社長であると同時に共同設立者であり、コンピュータサイエンスの理系修士を持っている。 彼はHaavard Nordと一緒に最初のバージョンのQtを書いたが、髪の毛の寂しい社長にさせられてしまった。 彼は、円熟した34歳であるにも関わらず、時々、武装したnerf gunを持ってトロールテックのオフィスに潜伏する。彼は、美人のフランス人女性と結婚していて、2人の少年の父である。

Matthias Ettrich can be reached at ettrich@trolltech.com; we'll post a bio of him when we have it. :)